2回目を迎える「酔っても美味い!九州S-1グランプリ」

九州の日本酒って?! どーんと40種揃います

昨年行なわれた第1回。全く初めての試みに期待が高まりました。中央に総合司会の小松社長。ユーモアのある楽しい語りで進行して行きます。

「どの酒が本当に毎日のおかずに合うか、実際に食べ合わせて投票してもらおう!」

そんなオソロしいことを言い出したのは、九州清酒協議会に所属する蔵元たち自身。

焼酎のイメージが強い九州にも実は、おいしい日本酒を醸す酒蔵がたくさん。 富久千代酒造の「鍋島」がIWCを受賞して、佐賀県のお酒が注目されましたが、それでも、実際に比べて、まだまだ知られていない現状です。そこで、たくさんの九州のお酒に触れてもらう機会を作ろう、と考えたのが、このイベント。勇気ある40蔵が一堂に会してトーナメント制で開催されたのが、去年の秋、10月22日でした。

それにしても、こんなキケンな、でも参加者はとっても楽しいイベントを思いついてしまったのは、九州清酒協議会会長であり、今年も総合司会をされるという『万齢』小松酒造(佐賀県)の小松大祐社長。昨年の見事な司会が思い起こされます。もちろん、今年も総合司会。

「ウチのは1回戦で敗退してしまったんですけどね」
「…………」

人気も定評もある『万齢』が……、やっぱりキケンすぎますって。

記念すべき第1回となった去年のメニューは、1回戦が「豆腐」、2回戦が「大根の煮物」、3回戦「サバの塩焼き」、決勝が「鳥の唐揚げ」。お豆腐は淡白すぎて、何で味付けするかにかかってきますし、難しいでしょう、やっぱり。それが1回戦に来てしまったんですから……。順番が違ったら、料理が違ったら、結果も変わる。それもこのイベントの面白いところです。

では、気を取り直して、お話を伺いました。さすがに2年目、余裕が感じられます。

まずは、昨年の結果と、全体を見た感想などから。

「優勝は鳴滝酒造(佐賀県)の『聚楽太閤 本醸造生貯蔵酒』でした。意外に思う人もいるかもしれませんが、本醸造系が上位に入るだろうことは、酒蔵同士の間ではある程度予想が付き、そうなれば良いなと、僕自身も『本醸造、来い!』と、思っていたんですよ。やはり、日常酒である本醸造は万能というか、淡白な料理にも味の濃い料理にも合う。それが証明されたようなものでした。もっと本醸造が見直されていいし、もっとアピールしていくことも必要かもしれません。

もっとも、『優勝したからといって売れると思うなよ』とは言ってありますが(笑)。

その一方で、料理ごとにと考えて、合うものを探すとそれぞれお酒は細かく分かれるのでしょう。実際には、純米酒や吟醸酒の方が売れている、ということは、もっと細かい提案をして行くことが必要かも、とも考えました」

嗜好品として選ばれるもの、日常酒として常に手に取ってもらえるもの。そんな棲み分けも現実としてあるでしょうから、それぞれに合った提案が必要かもしれません。

「そしてもう一つ、実はこれがとても大きな発見だったのですが、0点だったお酒はなかったんです。どんなお酒もおいしいと思う人が必ずいる。嗜好品としてのお酒と考えた時、そのことは嬉しい発見でしたね」

焼酎王国のイメージが強い九州ですが、日本酒もおいしいですからね。今年は、市販されていてだいたい常に一般的に買える銘柄だけが出品されるそうです。

「この料理やおつまみにはどのお酒が合うか」、逆は手軽にできても、こんな飲み比べは個人で試すのもなかなか難しいことですから、ほんとうにいい機会です。

みなさん、楽しそうですが、表情は真剣です。

さて、お酒と料理のマッチングを楽しむこのイベント。今回の料理はどのようなテーマのメニューなのでしょうか。

「前回は『家庭のおかず』でしたので、今回は目線を変えて、『だし巻き玉子』、『なすの揚げ浸し』、『さわらの照り焼き』、『鶏肉の塩麹焼き』と、東京の居酒屋さんで飲む時のごく一般的なおつまみのイメージです。『さわらの照り焼き』は醤油味、『鶏肉の塩麹焼き』は塩味で脂っぽさもある、そして、『なすの揚げ浸し』ではポン酢の味と分かれています」

醤油、塩と日本酒が合うことは分かりますが、酢=酸味の利いた料理に合うのはどんなお酒か、気になりますね。

料理はごく一般的なもので、とはいえ、選ぶのはそうとう神経を使うだろうと想像されます。同じ居酒屋メニューでも、どの料理が出るか、どの順番で出されるか、それによって評価もだいぶ変わるわけですから、毎回条件が違う。次回、再び家庭料理に戻っても、前回とは違う結果になるかもしれません。新鮮な目線で楽しめる競技会、ともいえます。

今晩のメニューに合うお酒の参考にもなるかも?

「去年のS-1でもう一つ発見したのが、みなさん、甘いお酒を好まれるんだな、ということ。ちょっと意外でしたね」

40種類の銘柄は伏せられていますが、毎回、得票数はオープンです。どんなお酒が高い評価を得たのかは一目瞭然。そこで、甘口のお酒が思いのほか得点を得た。辛口のお酒が人気ですが、家庭料理に合せていただく時の本音は意外に程よい甘口なのかもしれません。

ちなみに審査は、4つのカテゴリーに分けられた5種類のお酒から1種のお料理とのマッチングを考えて投票していくシステムです。

さて、事務局の方には様々な感想が寄せられています。どんな意見が多かったのでしょう。

「やはり、『おつまみを食べながらお酒との相性を評価する』という企画が面白かった、画期的だったという声が圧倒的でしたね。ただのきき酒会ではない。さらに、その場で結果が発表され、トーナメントで勝ち上がって行くところも楽しんでいただけたようです」

試飲会で料理が出ることは多々ありますが、個別に蔵関係者に感想を伝えることはあっても、あとはおいしく頂くところまで。また、利き酒をして評価するということも、鑑評会などいくつかの競技会はあります。それらを複合的に、現実に即して評価してみる、まさに禁断のイベントといえます。

さらに、感想として「九州に日本酒がこんなにあると思わなかった」「九州のお酒にこれだけ多く触れる機会がなかった」「九州にもおいしい日本酒があったんですね」などの声も多かったとのことで、身を挺して(?)行なった以上の効果もあったようです。来場者にとっても、新しい発見があり、日本酒ワールドが広がるいい機会だったようです。

「まさに、そこが、一番知ってほしいところだったんです。出店しているのは40蔵ですが、九州6県には日本酒の酒蔵が約170社もあるんですよ。このイベントには、関東以北には出荷していないような小さな蔵元さんも参加していますし」

今回は2部のパーティでは、蔵元もそれぞれのテーブルに付いたり、ゲームも予定されていたりと、楽しそうな計画もあるそうです。

去年の第1回の様子をぜひYou Tubeでご覧下さい。

今年はどんな発見があるか、どんなお酒に出合えるか。そして、『万齢』、リベンジなるか!? 楽しみですね。

 


「IWC 2012」メダル受賞酒決定!

お気に入りのお酒は入りましたか?

 

金メダル受賞酒

ワインのコンペティションとしては世界最大規模にして最高権威とされる「IWC〜International Wine Challenge 」。そこに、Sake部門が開設されてから6年目となり、注目度もますます上がっています。そんな中、東日本大震災の影響で輸出の手続きが煩雑な状況のため、6年目にして、初めて、日本で審査が行なわれました。

審査結果発表会場(日本酒造会館)。左から、日本酒造青年協議会の新会長となった「蓬莱泉」関谷醸造の関谷健さん、IWCのオーナーでマネージング・ディレクターのアンドリュー・リード氏、日本酒部門審査の責任者であるサム・ハロップ氏、イベント・ディレクターのクリス・アッシュトン氏。

 

審査は虎ノ門にある「日本酒造会館」で2日間に渡って行なわれました。

国内開催ということもあり、これまでで最多となる292蔵689銘柄が出品し、激戦となりました。5部門で争われるその内訳は、【純米酒】が147蔵169銘柄、【純米吟醸酒・純米大吟醸酒】が192蔵246銘柄、【本醸造酒】が53蔵54銘柄、【吟醸酒・大吟醸酒】153蔵170銘柄、【古酒】が48蔵50銘柄。輸出手続きが不要で出品しやすい、ということもありますが、それだけ浸透しているということでもあり、昨年の約1.5倍の出品数となったそうです。

今回の審査は、日本人19人、日本人以外19人という計38人の審査員によって29・30日に行なわれました。

審査の様子も見学させていただいたのですが、7組に分かれて、689銘柄の中から担当するお酒を判定していく、というもの。これはワインのやり方だそうで、銘柄名を隠したボトルから各自でワイングラスついで利き酒をし、チーム全員が一通り利き終わったところで、ディスカッションし、チームリーダーが意見をまとめて判定を下していくのです。

チームリーダーを務めた日本酒ジャーナリストのジョン・ゴントナーさんも真剣な表情です。

日本語、英語が飛び交う中を歩いていると「これは・・はあるけど、・・なのが気になる」とか、「……そうか、今回は、その主張を尊重するよ」「じゃ、これはCでいいね」とか……。活発に意見を戦わせている場面も見受けられました。

初日の夜には懇親会が開かれ、これまで叙任された酒サムライの方々や、各省庁の関係者の方々が多数みえていました。

前回の金メダル受賞酒
左から、関谷健さん、酒サムライコーディネーター兼 IWCアンバサダーの平出淑恵さん、酒サムライ ロンドン代表 兼 IWCアンバサダーの吉武理恵さん、日本酒造青年協議会前会長・酒サムライ本部IWC担当の「王紋」市島酒造・市島健二さん。

3日目の結果発表では、総評として、「とても質が上がっている」という感想と共に、ワインが2週間かけたのに対し、出品数の差はあれ、2日間で判定しなければならないのは、かなりたいへんなことだったとも。

今回は、特別措置として日本で行なったものだが、今後も選択肢の一つとして考えられないことではない、とも話しておられました。

 

今後の予定としては、6月15日の日本酒造青年協議会、及び酒サムライ事務局で「日本酒フェア」に「IWC」日本酒部門金メダル受賞酒を紹介、販売するブースを開設。6月20日にトロフィー受賞酒を発表(酒サムライホームページ上)。9月11日(ロンドン時間)には、各賞の表彰、及びパーティーが行なわれる「IWCアワードディナー」で『チャンピオンsake』も発表され、表彰が行われます。 11月には、日本で、ワインを含めた受賞酒の試飲イベントも予定されているとのことです。

==金メダル受賞酒==

【純米酒】
・「大信州 N.A.C 浜農場」(大信州酒造㈱/長野県)
・「本洲一 無濾過純米酒」((名)梅田酒造場/広島県)
【純米吟醸酒・純米大吟醸酒】
・「北雪 純米大吟醸 越淡麗」(㈱北雪酒造/新潟県)
・「純米吟醸 雪の茅舎」(㈱齋彌酒造店/秋田県)
・「秘伝山廃 雪の茅舎」(㈱齋彌酒造店/秋田県)
・「大信州鑑評会出品仕込壜囲い純米大吟醸」(大信州酒造㈱/長野県)
・「天山 純米吟醸酒」(天山酒造㈱/佐賀県)
・「梵 夢は正夢」((資)加藤吉平商店/福井県)
・「純米吟醸酒 飛露喜」((資)廣木酒造本店/福島県)
・「福寿 純米大吟醸 黒ラベル」(㈱神戸酒心館/兵庫県)
・「くろさわ 純米吟醸2009」(黒澤酒造㈱/長野県)
【本醸造】
・「本醸造 妙高山」(妙高酒造㈱/新潟県)
【吟醸酒・大吟醸酒】
・「大吟醸 福小町」(ナショナル物産㈱木村酒造事業部/秋田県)
・「越の誉 大吟醸」(原酒造場㈱/新潟県)
・「燦欄 大吟醸」(㈱外池酒造店/栃木県)
・「燦然 大吟醸 原酒」(菊池酒造㈱/岡山県)
・「松の寿 大吟醸原酒 源水点」(㈱松井酒造店/栃木県)
【古酒】
・「熟成古酒 飛騨の華 酔翁」(㈱平田酒造場/岐阜県)
・「東光 秘蔵古酒 生もと本醸造原酒」(㈱小嶋総本店/山形県)
・「華鳩 貴醸酒8年貯蔵」(榎酒造㈱/広島県)
・「賀茂泉 純米吟醸永年古酒1997」(賀茂泉酒造㈱/広島県)
・「山吹 ゴールド」(金紋秋田酒造㈱/秋田県)