会津の酒と人を囲む「東京會津祭」

昨年より2蔵増えての開催。

 会津の酒と人、そして会津の酒と人を愛する人たちが集う

「全国新酒鑑評会」で金賞受賞数が最多という地位を伸ばし続けている福島県。大御所から中堅へ、若手へと、受け継がれ、なおかつ時代もしっかり捉えているのだろうこと、想像できます。そして、浜通り、中通り、会津、と3つのエリアに分かれる広い県内は、それぞれカラーを持っていて、福島のお酒や観光の魅力となっています。

会津地方は山に囲まれ、独特の食文化も育まれ、おいしいお酒を生む豊かな水に恵まれている……。そんな会津から若手蔵元を中心に招いて行なわれる「東京會津祭」。2回目となる今年の会も、2週間後と迫りました。

最近、お年頃なのか、たかがお酒の会、なのに、感動してしまうことが多くて困ります………。造り手さんや主催者さん、そして、集まっているお客さんの、お酒への愛情とか、おいしいお酒をいただいて気持ちが豊かになった楽しい笑顔とか、お酒を介した人と人のあったかい気持ちの交流とか、そんなものが場の空気を優しいものにしてくれて、その場にいるだけで、見ているだけで、幸せな気持ちになる。

このイベントも、正にそんな会でした。お客さんに声をかけると「会津出身」と照れたように誇らしそうに答えてくれる。「ご縁はないですが、会津のお酒が好きなので」と嬉しそうに答えてくれる。地酒ってこういうものだよね、と思わせてくれるのです。

私事ですが、以前、仕事で会津地方を回ったことがありました。会津若松、西会津、南会津、奥会津……、緑がまぶしくて、川がきれいで、あの時の景色や出来事が鮮明に甦り……、自分が生まれ育った土地の空気も思い出してしまいました。きっと、地酒ってそういうものなんですよね。

今年は会津以外から注目の若手も特別参加し、ユニット名こそないけれど、それぞれが切磋琢磨して良い酒を作っている気鋭の5人が揃います。その先輩たちも酒造りでは人気の蔵ばかり。後輩を温かい目で見守りつつ、自信を持って我が酒を勧めます。

5人揃う機会も限られます。昨年のとある会で、左より、 「山の井」「会津」渡部景大さん、「天明」鈴木孝市さん、「廣戸川」松崎祐行さん、「弥右衛門」「野恩」佐藤哲野さん、 「一歩己」矢内賢征さん。

会場もぐんと広くなりました。会津を中心に酒蔵取材を重ねてきたメンバーが主催し、日本酒を盛り上げようという会津の酒販店が協力。思いも体制も強固です。そこへ、福島県酒造組合主催の会でもその喉を披露してくれる民謡の唄い手で「あったか福島観光交流大使」の永峯恵さんの歌。一気にその場が「会津」になってしまうんですね。去年はたまたま応援に来て唄ってくれたようですが、今年はちゃんとメンバーに入っています。お楽しみに!

facebook「東京會津祭」https://www.facebook.com/tokyoaizumatsuri?ref=hl

 

————— 「東京會津祭 2014」 —————

【日 時】2014年7月20日(日)(入れ替え制)
・・・・第1部= 12:30~15:00、第2部 16:30~19:00
【場 所】渋谷『SOUND MUSEUM VISION
・・・・東京都渋谷区道玄坂2-10-7新大宗ビルB1
【入場料】前売:各2,000円、当日:各3,000円
【チケット】Peatix または e+ で。e+は、全国コンビニで直接購入も可能
【主催】富士虎
【問合せ先】info@fujitora.net

●サポート陣:
・・■会津料理=弦や(喜多方)
・・■DJ=白井與平(植木屋商店)、DJ U-SKE(SAVAI)
・・■民謡=永峯 恵
・・■特別参加=会津電力株式会社
・・■協力=力水會

<<2014年・参加蔵元>>

01)『山の井』会津酒造(南会津)     02)『天明』曙酒造(会津坂下)
03)『会津娘』髙橋庄作酒造店(会津若松) 04)『ロ万』花泉酒造(南会津)
05)『廣戸川』松崎酒造店(天栄村)*1)   06)『寫樂』宮泉銘醸(会津若松)
07)『奈良萬』夢心酒造(喜多方)*3)    08)『弥右衛門』大和川酒造店(喜多方)
09)『一歩己』豊国酒造(古殿町)*1)*2)   10)『峰の雪』峰の雪酒造(喜多方)*2)

*1)特別招集枠 *2)新規参加蔵元 *3)蔵元は欠席

 

ーーーーー「東京会津祭 2013」ーーーーー

————— 「東京會津祭 2013」 —————

【日 時】2014年7月21日(日)(入れ替え制)
・・・・第1部=12:20〜15:20、第2部=16:00〜19:00
【場 所】アーキテクトカフェ汐留 東京都港区東新橋2-14-1 コモディオ汐留
【入場料】前売:各2,000円、当日:2800円
・・■会津料理=弦や(喜多方)
・・■DJ=白井與平(植木屋商店)、DJ U-SKE(SAVAI)
・・■協力=力水會、(株)ナチュラル・ファクト
【主催】富士虎

<<2013年・参加蔵元>>

01)『山の井』会津酒造(南会津町)     02)『天明』曙酒造(会津坂下町)
03)『会津娘』高橋庄作酒造店(会津若松市) 04)『ロ万』花泉酒造(南会津町)
05)『廣戸川』松崎酒造店(天栄村)*1)    06)『寫樂』宮泉名醸(会津若松市)
07)『奈良萬』夢心酒造(喜多方市)     08)『弥右衛門』大和川酒造店(喜多方市)

*1)特別招集枠


「伝統の今を楽しみ、伝える」イベント直前インタビュー

宮坂勝彦さん(左)と吉田泰之さん。同い年の二人、なんとなく似てます

 日本酒と音楽、映像のコラボ、新しくて実はトラディショナル。

今回のイベントで主軸となるのは、『手取川』吉田酒造店の吉田泰之さん、『真澄』宮坂醸造の宮坂勝彦さんというお二人。共に酒蔵に育ち、酒造りを見て、海外営業の立場から世界での日本酒の状況も身を持って感じてきました。その上で一番飲んでもらいたい同年代に向けて提案したのは、クラブイベント。その背景を伺いました。

——「いいね!日本酒。」として初めてのイベントを引き受けていただき、ありがとうございました。最初に、ご参加いただいている吉田酒造店さんにご相談させていただいた訳ですが、どう思われましたか。

吉田さん 一回目か、とプレッシャーも感じましたが、これはやるしかない、と思いました。そして、何かとコラボをするという発想に立って考えたら、誰かと組んだら、もう少し幅広い世界にアピールする機会にできる、と思ったんですね。

宮坂さんとは海外営業の場など仕事で一緒になる機会も多いし、年も同じでフィーリングも合う、一緒にいて居心地が良いんですね。これからも一緒にイベントなんかをやっていきたいと思っている。実は、一度、ロンドンでやろうという機会があったんですが、忙しさに追われて実現せずに終わってしまったんです。

今回はたまたま時間も取れそうだ、ということで、宮坂さんに声をかけたら、宮坂さんも『やろう、やろう』と言ってくれたんです。

ーー宮坂さんは、そんな話を持ち込まれて、どう思われましたか。

宮坂さん ぼくも、これまでとは違う形でお酒を紹介していきたいと思っていたところでした。今、僕が考えているのは、お酒を元の場所に戻そうということなんです。どういうことかというと、僕の中ではそれは「祭り」なんです。昔って、神社の例祭などで行なわれる祭りは、ハレの日で非日常ですよね。みんな楽しみに待っていて心から楽しんでいた。けれど、今はそれが形骸化している部分も感じられます。

そして、現代では、若い人たちにとって祭りに代わるものがミュージック・フェスなんかじゃないか、と思うんです。自分が音楽が好きだからではあるけれど、自分でもフェスに行ってみて、昔だったら、こんな気持ちでお祭りの神楽を楽しんだりしてたんじゃないか。そして、そこには必ずお酒があった。

それだったら、人が集まって楽しむ場所にお酒を持っていかなくちゃいけない、と思っているんです。フェスや音楽イベントの場にお酒、日本酒を持って行こうと。

もちろん、お酒そのものを味わう、芸術的においしいお酒、というものも良いんだけれど、ハレの日、人々が楽しむ場にいつもあって、場を盛り上げる助けとなっていたお酒、という存在を、もう一度、認識することも大切じゃないかと思うんです。

ワインに見習うのもいいけれど、それだけだと本来の日本酒と違うかな、と。

——先日、長野県で行なわれている大きなフェスティバル「TAICO CLUB」でも出店していましたね。

「TAICO CLUB」での『真澄』ブース。大賑わい!(写真提供:宮坂醸造)

宮坂さん なるべく県内で行われるミュージック・フェスには、出店しようと思っているんです。自分もよくフェスなどに参加するんですが、ビールや焼酎=サワーはあるけれど、日本酒ってほとんどないですよね。あったとしても大手ブランドで、その土地のものにこだわっていることはほとんどない。

だけど、せっかく長野に来てくれたんだから、長野のお酒とともに音楽を楽しんで、長野の空気を楽しんで帰ってもらいたい。新潟に行ったら新潟の、山梨に行ったら山梨のもの、それぞれのお酒を味わって盛り上がりたいですよね。

どこかで読んだんですけれど、「歌」「踊り」「酒」を持たない民族はない、と。この3つはどの民族にとっても根源的なものなんです。そして、この3つを切り離して考えるのは不自然なことなんだと思います。

だから、「クラブで日本酒」って、新しいようだけど、実は原点帰りなんです。

太鼓DUBのライブと、DJの2ステージあり。見逃さないよう、早めのご来場を。

——今回、出てくださるDJ JURIさんも、和太鼓という日本の伝統的な楽器を扱いながら、今の時代に訴える音楽を作っていらっしゃる。思いは同じところにありますね。

宮坂さん 海外から来る人たちも先の話と同様で、味にしても文化にしても、日本独自のものを楽しみたいと思って来られるわけです。だから、彼女の作り出す音楽は、伝統的であり現代的で、海外の人たちにも受け入れて楽しんでもらえると思うんです。大切なのは、伝統を「守る」のではなくて「楽しむ」こと、だと思うんです。

DJ JURI

——確かに、伝統をそのまま受け継ぐことも大切ですが、それを現代に則して作り上げたオリジナルなものは、伝統が現代に生きている証でもありますね。

一方、吉田さんは、今回、御社の酒造りを撮影したドキュメンタリー映画と、その監督の作品を紹介してくださるわけですが、予告編といえども、お酒が飲みたくなりますよね、ぜったい。どんないきさつだったのですか。

吉田さん エリック・シライ監督とは、たまたまNYで行なわれた映画の試写会で僕がお酒をサーブする機会があり、知り合ったんです。ちょっと面白い表現をして、その中で人の感情をしっかり追っかけてる人だと思いました。そうしたら、監督から「酒蔵や蔵人の生活を撮影したい」という依頼が。これは、「嬉しい」と思う反面、酒造りを知らない外国人の監督ですから、「リスクもある」と簡単にOKは出せませんでした。

映画のスチール写真より。美しい映画になりそうです。(c)Erik Shirai

だけど、お酒を好きな人ほど同じような撮り方になりがち。逆に、監督がどんなところを切り取るのか、アートや人物を追いかけている監督が撮ってくれるものは、きっと僕が伝えたかったものにより近いんじゃないか、という思いが強くなったんです。

蔵での酒造りって、人の和だったり価値観だったり、蔵独特の世界観があるんです。半年間、男だけで泊まり込んで家族のように生活して酒造りをする。汗臭い、でもそこには友情があったり、助けあいがあったり、けんかがあったり……、不思議な世界観がある。そこを撮ってもらいたい、それを伝えてもらいたい。

そういうところって、外の人は絶対に見られないものですよね。蔵見学に来ても見られるのは造りの場所だけ。少なくとも研修などで数カ月泊まり込まないと見えてこないものです。でも、それは何らかの形で残しておかなければならないな、と自分が造りに入るようになって、強く思っていたところだったんです。

完成したとの報も届いた「THE BIRTH OF SAKÉ」。当日は予告編を上映。

今、杜氏制度も転換期に入っていますよね。杜氏がいなくなって社員化する、蔵元自らが杜氏を務める、と、スタイルが変わって来ている中で、ウチの蔵は昔ながらの旧き良き杜氏制度での酒造りがまだ残っています。しかし、ウチも変わらないとは言えない。今、撮っておかなければ、という気持ちが強かったんです。それをシライ監督に撮っていただけるというのは、嬉しいことでしたね。

——吉田酒造店さんには、賄いの方も引き連れて能登から大挙やってくる、ある種、伝統的な要素が豊富に残っていますから、貴重なドキュメンタリーであり、アート作品としても楽しめそうです。期待が膨らみます。ありがとうございました。

まだ、20代の彼らから見た日本酒と酒造りの世界。クラブで、DJが入って、アート映像を上映して……、自分たちの一番好きなもので日本酒を楽しんでもらおうという今回のプログラムの中に、実は、ちゃんと伝統を受け取って、彼らなりの手法で時代の中に刻んでいこうとしている姿が見えました。

前回記事 http://denden.sakefan.net/?p=3491

facebookイベントページ  https://www.facebook.com/events/463450587122431/


「いいね!日本酒。」イベント始動!

第一回は若手パワーです。

あちこちのイベントに取材で伺って、サイトに参加してくださっている蔵元さんにご挨拶すると、たまに、言っていただくことがあります。

「せっかく参加してるんだから、『いいね!日本酒。』でも、何かやろうよ」

そうなんですよね。
本日、5月13日時点で、ご参加いただいている酒蔵さまが117蔵。
Facebookで、「いいね!」をいただいているのが、7459。
いろんな期待をしてご参加いただいている中には、「イベント」もあるでしょう。

もしかしたら、「10,00いいね!」も夢じゃないところに来て、GOが出ました。

6月20日です! チケットはイープラスにて発売中!

そして、ついにスタートします。第1回目となるのは、石川県・名峰白山の麓で醸す『手取川』の吉田酒造店さん。酒造りもされる次期6代目蔵元、吉田泰之さんが、海外営業仲間でもある長野県・諏訪の銘醸蔵『真澄』の宮坂醸造企画部で次期蔵元の宮坂勝彦さんを誘って、記念すべき第1回を引き受けて下さいました。

やるとなったら「実はこんなことやりたいと思っていたんです」と、次々アイディアが……。
すいません、時間が足りません。
やっとテーマを絞っていただきました。

吉田さんは、ニューヨークでの公開も間近となっている、吉田酒造店さんにひと冬泊まり込んで撮影した映画「THE BIRTH OF SAKE」の監督、エリック・シライさんの映像作品をご紹介してくださいます。E.シライさんは、現代アートのコレクターとして知られるご夫婦を撮った映画「ハーブ&ドロシー」の撮影にも参加されている方です。
当日のご来場は難しいのですが、「THE BIRTH OF SAKE」の予告編などを上映します。

一方、宮坂さんは、ご自分で、地元でイベントも企画されているほか、積極的に音楽イベントでお酒を提供するなど、活動的。豊かな人脈の中から、「太鼓DUB」を確立した音楽家であり、DJとしても人気の高い、DJ JURIさんにいらしていただくことになりました。

もちろん、トーク・セッションあり、ダンスタイムあり、お酒も2蔵から持ち込みます。お店の方も、SAKE カクテルを作るぞと、張り切っておられます。
ぜひ、たくさんに方にご来場、いただければ、と思います。

ーー「KAIKOH 邂逅 vol.1」ーー 
    “酒は何が出来るか”

『手取川』(石川県)、『真澄』(長野県)ーー
日本酒、そして、映像、音楽とのコラボレーションーー。
次世代を担う若き蔵元が提案する、日本酒との幸せな出合いの場です。

【日時】2014年6月20日(金)18時〜20時30分
【場所】solfa 中目黒 (http://nakameguro-solfa.com/)
【入場料】前売:2,000円、当日:2,500円(日本酒2種の試飲付き)
【チケット】イープラス 、 peatix にて発売中
【問合せ先】http://denden.sakefan.net  ,  mail=hdennoh@aol.com

実は二人の共通の趣味は、アートと旅。そんな話も聞けるかもしれません。

不定期ですが、少しずつ蔵元さんも来場者も楽しんでもらえる、そして、日本酒の良さ、おいしさ、楽しさを伝えられる、イベントにも取り組んでいきたいと思います。