想像以上の盛り上がり、西条「酒まつり」〜後編

やっぱり気になる「酒ひろば」「美酒なべ」

人によっては、ある意味「酒まつり」のメイン会場「酒ひろば」

ついに突入した西条「酒まつり」。今回はその後編です。

西条の「酒まつり」会場は、数カ所に分かれていて、それぞれが充実度高し。動画担当Yさんと二人、ぎっしり人で埋まった酒蔵通りをドタバタ移動しつつ、楽しませていただきました。

ステージで全体の主要イベントやさまざまな演目が行なわれるのがメイン会場〜「五千人の居酒屋会場」。それに加え、sake-fanとしてはやっぱり気になるのが、今年は約930種とも言われる全国のお酒を試飲できる「酒ひろば」、そして、すっかり西条名物として定着した美酒なべを囲んで昼間から大宴会の「美酒なべ会場」。メイン会場でつかまえた賀茂泉・前垣常務のご案内でついに夢の……混沌の世界へ……。

まずは「酒ひろば」……。

はい、ほんとにスサマジかった……。みんな幸せそう〜〜なのですが、その数たるや……。わずかに残された(笑)通路を、やっとのことですれ違って行き交う、ニコニコ顔の人たち。年ごとに色を変えているお猪口(今年は緑色)をタッパに何個も入れて、数種類のお酒をついでもらって、待っている仲間の元へ……という姿が、そこにもここにも。

「今年は沖縄のお酒も入ってますよ」
とのことで、それはぜひ、と駆けつけたら、とっくに完売、でした。

じゃ、美酒なべへ。

こちらは座敷仕立てのスペースが、セットアップされてお客さんを待っています。なんやかやと取材しているうちに、ふと振り向くと満席。予約していた人たちが一斉に着席、です。

横目に見ながら会場を後に……しなければならない辛さ……。

前回に引き続き、もう少し、酒蔵巡りをしてみましょう。どの蔵でもお蕎麦やうどんを提供していて軽く頂いて次へ、という時にぴったりです。しかも、いずれも本格派で、これを食べなければ、という人気のものばかりなのです。ただし、こちらも込んでいます。時間に余裕を持って行きましょう。

亀 齢 酒 造

まず、「亀の齢」という縁起の良い名前で、目を引かれます。続いて、全体的に甘口主体で知られる広島、そして西条にあって、こだわりの辛口に改めて眺めてしまいます。米の旨味を残しつつ、キレのいい辛口に、多くのファンがいることも納得です。

「酒まつり」では、酒ソフトクリーム、酒蒸饅頭、酒粕の豆菓子などバラエティ豊富に用意されていました。ちなみに私たちは「醸華町うどん」を昼食に。美味でした。


亀齢酒造株式会社・代表取締役社長 石井英太郎さん
ひと際、お客さんであふれていた。

白 牡 丹 酒 造

西条を、広島を代表する大手酒蔵。そして、延宝三年(1675)創業、広島で最も歴史のある酒蔵でもあります。全般的に甘口と言われる広島のお酒の中でも、甘口にこだわり、地元の人たちにとっても日常酒として親しまれてきたお酒が揃います。
この時しか買えない酒祭り限定にごり酒の純米酒『延宝時代のにごり酒』を楽しみにして訪れる人も多いようです。そして、延宝庫での韃靼そばも人気が高いそうです。

白牡丹酒造株式会社・代表取締役社長 島治正さん
入ってまず振る舞われるのが、ウワサの酒祭り限定『延宝時代のにごり酒』。瓶からくんでくれる。

金 光 酒 造

『桜吹雪』『賀茂金秀』の金光酒造は、東広島市黒瀬町からの参加。
明治13年に創業でふつう酒主体だったところを、東京農大醸造科を卒業して蔵に入った次長で5代目となる金光秀起さんが、少量仕込みを生かして品質を向上。新たに生み出した『賀茂金秀』で人気上昇中の注目蔵です。現在は、『桜吹雪』『賀茂金秀』ともに純米酒から大吟醸、斗ビン採りまでの幅広いカテゴリーを有しています。

金光酒造株式会社・次長 金光秀起さん と、サポートの方々
注目の蔵だけに、酒蔵通りからは少し離れた住宅街の一画にもかかわらず行列もできていた。

「酒まつり」の参加蔵は西の賀茂輝酒造さんから東の賀茂泉酒造さんまで計9蔵。それぞれが個性を放って、訪ねるごとに楽しい発見が。全部回るのは根性、要りそうですが、回ってみたくなります。

道路脇も含めリサイクルステーションを各所に設置。Ecoプロジェクトもすっかり定着して、きれいなお祭りでした。
子どもや外国人らによる行列とのこと。かわいかったぁ。  子どもや外国人らによる行列とのこと。かわいかったぁ。

後日、実は同じ日に行っていた、という知人が何組かいて、人気の高さが伺えます。もっとも、いると分かっていても、会えなかっただろうなぁ、あの込みよう。

その中には、今回、「酒サムライ」を叙任されたフランス人日本酒啓蒙家のシルヴァン・ユエさんも友人の写真家の方といたのだそうです。酒蔵が並ぶ西条の街がお好きなのだとか。

最後に、かわいいちびっ子神輿行列「酒みだればやし」に遭遇しました。「来年も来よう。今度はお客さんで」とココロに誓い……。

*重ねて、こんな大変な最中に押し掛けた取材班に、快くご対応いただきました、蔵元のみなさま。深く感謝申し上げます。

Yさん渾身の撮影による映像「『2012酒まつり』延べ24万人が日本酒の秋を満喫!~東広島市」も併せてお楽しみください。

 


想像以上の盛り上がり、西条「酒まつり」〜前編

どっちを向いても楽しそうな顔! あらゆる場所がイベント会場

お伝えしていた通り、行ってきました、西条「酒まつり」。
10月6、7日の2日間行なわれた、初日の6日でした。

「酒まつり」のスタートは、御建神社内にある松尾神社から酒林の神輿が担ぎ出されてメイン会場へ。

もちろん、覚悟はして行ったんです。
ものすごい人出、ものすごい混雑、ものすごいお酒、ものすごいゴキゲンな人たち。

でも、最後にはちょっと飲めるかな。楽しそうだなぁ。きっと、思ったよりもエリアは狭くて、2日で25万人なんて言っても、実はもうちょっと少ないだろうから……。

広島市内に宿を取っていた私を、動画担当のYさんが迎えに来てくれて、車で向かった東広島市西条。ところが、近づくにつれ、渋滞……、いやぁ〜な予感。

不安は的中し、やっとこさ、10時過ぎに会場に着いた時には、すでに人、人、人、で、ごった返しておりました。工事中で仮駅舎の小さな西条駅からは、いつ果てるともしれぬ人の波。そのまま、酒蔵通りへ、酒ひろばへ、と流れて行きます。もちろん、石畳が敷き詰められた酒蔵通りの、石畳なんて見えません。

ここへ突入して、さらにお仕事中の蔵の方に話を聞く……。
「こりゃ、無理だな」……。
Yさんと、ほとんど泣きそうな顔を見合わせ、すでに白旗上げてました。

「まずは、一番近い『賀茂鶴』さんへ行きましょう」

逃げて帰れないのがお仕事。まじめなYさんが、「きっ」と見据えた酒蔵通り。
ところが、かの方向から現れたのは、酒林神輿の一団。急遽、予定を変更し、まずはそちらを撮影に走る。最後には、「ミス東広島」?のきれいどころのおねえさんも続きます。

賀 茂 鶴 酒 造

さて、やっと「賀茂鶴」さんに到着です。酒蔵通りから1本入って、平行して延びる石畳に面した広い敷地。西条名物の酒蔵煙突が2本、伸びているのが見えます。実はこの本社蔵には全部で4本!立っているのです。

「賀茂鶴」さんは、米の旨味が生きた、すっきりした飲み口で人気のお酒。1990年のパリ万国博覧会にも出品し、名誉大賞を受賞という華やかな歴史のある蔵です。

いました、いました。入ってすぐの試飲会場で、ウェルカムドリンクをサービス中の太田さん。まずはここで「賀茂鶴上等酒」を一口。そして無料、有料の試飲コーナー、他業種とのコラボコーナーがずらりと続きます。

賀茂鶴酒造株式会社・営業部広報課・主任 太田裕人さん。
「例年おこなっている社員による「酒造り唄」の披露や、菰樽の菰巻き実演。本年は新しく、鏡開き(初日は1回、2日目は2回)をした後、その樽酒を振舞い、樽酒とチーズのマッチングを味わっていただくなどお越しいただいた皆様に楽しんでいただいています」
蔵の中でも様々な催しが。
豊富な種類のお酒を試飲してすぐに買えるのも「酒まつり」のいいところ。売るほどあります。

次に目指すは「賀茂泉」さん。酒蔵通りの一番奥です。

通りには、散策とお酒を楽しみながら、のんびり歩く人たち。みんな幸せそうな顔をして、お酒の感想なんかを言い合いながら、出店を冷やかしながら、次の蔵を目指しています。

「ふだんはあまり日本酒を飲まないんだけど……」、なんて声も聞こえてきます。ほんとにお祭りを楽しんで、ついでに日本酒に触れる、そんないい機会ですね。

酒蔵通りのちょうど中程にある、通称、くぐり門。かつてこの奥にあった芝居小屋「朝日座」のために設けられたもの。

そんなゆったりムードの人たちをかき分け、字のごとく、血走っている私ら。荷物は多いし、ほんと、いい迷惑でした……。

賀 茂 泉 酒 造

休憩できる配慮はさすが。ここまで来ると、休みたくなる。

やがて、建物の前にベンチが置かれ休めるようになっている、と思ったら、「賀茂泉」さんの蔵でした。30年ほど前に、酒蔵エリアの端と端、賀茂泉さんと賀茂輝さんとではじめたことが、こんな大きなお祭りになった。ずっと携わってきただけに細部に気遣いが感じられます。

賀茂泉酒造株式会社・常務取締役 前垣壽宏さん
「酒蔵のスタッフはもちろん、各団体から学生のボランティアまで、一丸となってみなさんをお待ちしています。ぜひ、来年もお越し下さい」
賀茂泉酒造株式会社・業務企画室・室長 渡邊伸司さん
「始まってからも裏はどたばたですが(笑)、楽しんでいただけたでしょうか」

地酒にこだわり、早くから純米酒に取り組んできた賀茂泉さんの芳醇なお酒が並ぶ試飲コーナーや仕込み水などが置かれた蔵を通り抜けると、中庭はワンダーランド。焼き牡蠣、竹酒、美酒鍋など様々なコーナーが設けられ、賑やかで楽しそうです。酒蔵コンサートの告知もあります。

大きな牡蠣がいい香りを放っていた。はい、頂きました。 
みんな楽しそうに竹酒を楽しんでいる。さすがにノリがいい。

会場によっては8〜9時頃まで開いているところもありますが、酒蔵は5時で閉館。飲み忘れに注意、です。

こんな大変な最中に押し掛けた取材班に、快くご対応いただきました蔵元のみなさま。深く感謝申し上げます。

Yさん渾身の撮影による映像「『2012酒まつり』延べ24万人が日本酒の秋を満喫!~東広島市」も併せてお楽しみください。

 

 


900種のお酒に美酒鍋、魅力の西条「 酒まつり」

家族で楽しめる酒イベント、ウワサの「酒まつり」へついに……

「日本酒の日」も、もうすぐですね。
この日が来ると、次は東広島市西条「 酒まつり」と思いを巡らせる人も少なくないのでは?

のんたと一緒に鏡開き

昨年、オープンして間もなかった「いいね!日本酒。」でも、facebookでご紹介しようと、賀茂泉さんの前垣専務にお話を伺ったのが、ちょうど1年前でした。懐かしいですねぇ。
「美酒鍋」がいかにおいしいかを熱く語っていただきました。

御建神社では、酒林を奉納

実は、「酒まつり」ってバラエティ豊富なプログラムなんです。
広島県東広島市にある西条は、酒蔵が軒を連ねる風情ある酒蔵通りで有名。それだけでも行きたくなるのに、「酒まつり」の期間、このエリアを中心に、町を挙げて様々にイベントが組まれているのです。
初日の朝、松尾神社のある御建神社へ詣でて、神輿も出る、まさに「酒まつり」。そして、メイン会場での芸能などのイベントに加え、各酒蔵で組まれている趣向を凝らしたスペースやイベント。そして、この時だけのスペシャルなお酒、メニュー。

23回目を数え、「酒まつり」もますますパワーアップ。「いいね!日本酒。」取材体制もパワーアップして賀茂泉酒造・渡邊課長、賀茂鶴酒造・営業部広報課の太田裕人さんにお話を伺うことができました。

また、既にfacebookでお知らせしているように、「オリジナル手ぬぐいを10名さまにプレゼント」して戴けることになりました。ありがとうございます。
行ける人も行けない人も、どんどんご応募くださいね。

さて、昨年は2日間で25万人!が押寄せたというこの「酒まつり」。そもそも23年前に始まったのが、賀茂泉さんたちのアイデアだったとか。その時のことを賀茂泉酒造・渡邊課長に伺いました。
「賀茂泉」さんは、早くから純米酒に取り組み、お酒本来の味わいにこだわる酒蔵です。

「中央公園(現在のメイン会場)で『1000人の居酒屋』を開いたのが始まりなんです。みんなではじめた小さなイベントがだんだん広がって町全体を取り込んで、5年前からは急激に増えてきていますね。今は、いらっしゃる方々にご満足いただけるよう、こちらも一所懸命です」

「酒まつり」が近づくと、社員ほぼ全員がその準備に掛かりっきりになるほど。

「『このお酒、おいしいねぇ』っていわれると、うれしいんですよねぇ」
みんなが直接販売員になって接客する、たいへんだけど、嬉しいひとときです。

それにしても、「1000人の居酒屋」が今や「5000人の居酒屋」。「酒蔵ツーリズム」、「酒蔵で町起こし」のお手本のようなはなしですが、23年も前にはじめたことなんですよね。

賀茂泉さんでは、酒蔵コンサートを開くことに加えて、この時だけの特別なお酒を販売するのだそうです。
「お酒は、何が出されるか分からないうちから予約が入るんですよ」と、うれしい悲鳴。甘党にはここでしか食べられない梅酒ワッフル。充実のスイーツも人気です。

「賀茂泉」さんのSAKE BAR(左)と、「賀茂鶴」さんのお客さんによる鏡開き

「酒まつり」の一番の楽しみ方は、酒蔵イベント、とおっしゃるのは、賀茂鶴酒造・営業部広報課の太田裕人さん。

柔らかな呑み口が特徴の 賀茂鶴さんのお酒は冷やしても良し、燗でもおいしくて、人気です。蔵元に設ける有料試飲コーナーでは、大吟醸酒を3種と、特別本醸造酒を1種試飲していただけるそうです(500円/4種類)。

「お酒の試飲販売、酒蔵コンサートなど西条酒造協会に加盟している蔵元各社それぞれ工夫を凝らしたイベントを開催しています。

また、象徴的なのが『酒ひろば会場』です。日本全国、約900種類のお酒を飲み比べることができます。通の方から、日本酒はよく解らないという方も、まずは飲み比べて、自分にあった酒を発見していただきたいですね。そして新しい日本酒の楽しみ方、フローズンカクテルや清流ハイボールなどの酒カクテルも楽しめます」
そして、もう一つ、というのが件の「美酒鍋」です。酒蔵で生まれた郷土料理。アルコール分は抜けているので、どなたでもおいしくいただけるのです。

まずは、スケジュールをチェック、ですね。

夜になってますます盛り上がるメイン会場(左)。酒つくり歌も披露。

お酒の好きな人はもちろん、家族連れでも楽しめる一大イベント。一度行ったら、もう来年が楽しみになるそうです。

そんな「酒まつり」に伝々、取材に伺うことになりました。戻りましたら、なるべく早くリポートをお伝えしますね。
それでは、西条でお会いしましょう!

西条「酒まつり」
日時:10月6〜7日
問い合わせ:酒まつり実行委員会
電話:082-420-0330
HP:http://www.sakematsuri.com/

賀茂泉酒造:http://www.kamoizumi.co.jp/

賀茂鶴酒造: http://www.kamotsuru.jp/