「いいね!ランキング」上位蔵に聞く〜泉橋酒造

「とんぼ」のメッセージがじんわり伝わり5位の『いづみ橋』

5位あたりまではほぼ定位置となっている「いいね!ランキング」。一気に増やして逆転、または反対に越されないよう、気にしているのかいないのか?

「実は気になっている」というのは泉橋酒造の専務、橋場由紀さんです。

でも、今のところはマイペースでいこうと思っているのだそうです。というのも、順位を追うよりも伝えたいことがはっきりしているから、ということのようです。

 神奈川県海老名市の地酒、『いづみ橋』さんは、とんぼのマークでお馴染みです。とんぼ、ヤゴ、最近は雪だるまの下にひっそり息づく卵も加わりました。

社名は「泉橋」銘柄は『いづみ橋』なのに、どうしてキャラクターは「とんぼ」なのか、ご存知でしたか?

Facebook(以下、FB)やホームページ(同、HP)をご覧の方はきっとご存知ですね。

青空を写しヤゴが泳ぎ回る夏の水田、波打つ黄金色の穂の上をとんぼが飛び回る秋の田んぼ、春を待つ卵が静かに眠る休息の田んぼ。そんな光景が見られるのは、田んぼに農薬が使われていないから。

「いづみ橋」のおいしいお酒はそんな田んぼで育てられた無農薬のお米だけから造られていることを「とんぼ」が語っているのでした。

酒造りがオフシーズンに入る春になると、苗作りや田植えなど、仲間が集まって半年ぶりの作業風景がアップされ、それから秋にかけて稲刈りなど、FBには、楽しそうな酒米作りの様子や田んぼの生きものたちが随時、報告されています。自分たちで米作りも行なっているのです。

みんなで米を作るようになったのは18年も前!のことなのだそうです 約80人でスタートし、今では200人以上に。きっと、毎年、楽しみにして集まって来られるのでしょうね。お迎えする側も食事の用意やら大変そうですが、それもまた、楽しい。

そして、酒造りの季節になると、酒蔵での仕事に関する話題が多く登場。1年を通してみると、お米から日本酒ができるという全容を知ることができます。

というのは、一歩引いて、泉橋酒造の作業風景を通して、「酒蔵というところが日々どんな仕事をしているのか知ってもらいたい」という視点を、伝える側が常に持っているせいかもしれません。

泉橋酒造独自のこと、酒造りの一般的なこと……、そう考えると、いろいろ目に入り、アップしたいことが多すぎて……。しつこくならない程度に、と、ぐっと自分で抑えているのだそうです。

また、添えるコメントも、それぞれ一言というわけではなくちゃんと説明されているのですが、ここで、もうひとつ心がけていることがあります。それは、「続きを読む……」をクリックしなくても読み切れる長さに留める、ということ。

「多くの人は、ぱっと見て理解して次へ行きたいものだと思うのでーー。でも、社長はブログも書いている影響で、長くなりがちなんですよね(笑)」

FBはご主人で社長の橋場友一さんと由紀さんのお二人でそれぞれアップしていますが、文章量も見分けるポイントのようです。

内容や時間がダブらないように、調整しながらやっているので、かち合ってしまった時には、どちらかがボツ、ということになってしまうそうです。

ところで、由紀さんが個人的にFBをはじめたのは2011年2月。同時にTwitterもはじめたのですが、その1ヶ月後に東日本大震災が起こり、期せずしてソーシャルメディアの利便性を実感することとなったそうです。

また、社長は、震災後に酒蔵、飲食店、酒販店、愛飲家をつないで義援金の協力を訴えて多くの賛同を得た「ファイト!日本、義援金プロジェクト」の事務局にもなっていて、そちらでもソーシャルメディアは、大活用されたそうです。(記事はこちら

HPも、18年も前に知人がいち早くHPデザインをやりはじめたことから、開設することとなった泉橋酒造さん。HPの存在自体が珍しくて、新聞で紹介されたほどだったという、長いHP歴です。ただし、更新は若干の手間がかかるため、もっと頻繁に気軽に更新したいと思っていたのだそう。FBの手軽さは待っていたメディアと言えるようです。

そして、FBをスタートした矢先に「いいね!日本酒。」からお声をかけさせていただき、ご参加いただいた。当初は順位が気になり見るのもためらわれたというランキングも、気がつけば上位の常連。今では、この位置をキープするかさらに上にいくか、と良い意味で刺激になっているそうです。

中央の“ヌケ”の良すぎる写真は泉橋酒造さんの蔵の周りの風景。よく見ると月も浮かんでいます。都心のすぐ近くと思えない、豊かな環境です。左は話題の雪だるまラベル。雪(由紀)の結晶もすてきです。右の写真は一昨年のものですが、あまり見ることのできない生酛作りの様子。

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「いいね!ランキング」上位蔵に聞く〜寺田本家

1位登場! 独走の秘密は「Organic-Net」!?

facebookでの「いいね!」=ファン獲得の上位を占めるお蔵さんから、なんとかその秘訣を聞き出そうというこのシリーズ。早くも1位の登場となりました。
ご参加されてからずっと軽やかに首位独走を続ける、『五人娘』の寺田本家さんです。

「いいね!日本酒。」にご参加いただいている蔵の方とファン数ランキングの話になると、「まぁ、1位はしょうがないとして」と、つい口にしてしまうくらい完全独走態勢。孤独なランナー??と化している寺田本家さんだけに、その秘訣、気になります。

「ウチは、完全無農薬米を使ったお酒を造っているので、日本酒ファンというだけではない人からも興味を持っていただいていますし。それと、ずっと発酵ということにこだわってやって来たのですが、それが今、注目されていますよね。そういったことのせいじゃないでしょうかね」
そうおっしゃるのは、63歳という若さで急逝された先代の跡を継いで、この春から24代目になられた寺田優社長です。

オーガニック日本酒が注目されたさきがけ的存在だけに、地球を考えるイベント、「アースデイ」などにも参加していたとのこと。

実は伝々、この夏、ちょっとエコ関連の仕事をしまして、オーガニック系のレストランや居酒屋さんを何軒か取材する機会があったのですが、行く先々で“お会いした”のが『五人娘』さんでした。

今更言うまでもなく、ファンも信奉者も多かった先代の寺田啓佐社長。「酒造りの主役は微生物。それが元気でいられる、生き生きと発酵してくれる環境を」と考えて、減農薬米なども試しながら、約25年前から少しずつ切り替え、5年前からは完全に無農薬米、無添加の生もと造り……自然の造りに切り替えた。

「なにより分かりやすいですから。お酒って複雑なことが多いですけど、 “無農薬”って言ったら無農薬でしかないですからね」
先代と共に自然の酒造りを探求し、先代の意思を受け継ぐ若き24代目のがんばりが、ますます気になる、目が離せないのでしょう。

昨年の6月からはじめたFacebookでは、酒造り、米作り、蔵のイベントなど、日々の作業、出来事を、たとえ短いコメントでも、まめに発信されています。
「契約農家さんもいますが、自分たちでもお米を作っていますから、米作りから酒になる迄の全てを自分たちで掌握している。それは楽しいですし、伝えたくなりますよ。ほんとうは週に2〜3回アップしたいくらい」

そうはいっても専務時代ならいざ知らず、今のご多忙な立場で、時間を作るのが難しいのでは?
「それほどでもないですよ。それにスタッフや知人のタイムラインからシェアしていますし」
6人いる蔵人は平均年齢30歳!と、みなさんお若い。そのうち2人がfacebookをやっているのでそちらからシェアでき、一人はレシビ本も出している料理研究家、というユニークさです。加えて、酒造りというよりオーガニックに関心のある人も訪れるだけに、そうして知り合った人からシェアしたり。チームワークの妙ですね。

ちなみに、先代も「facebookっていうのがあって、面白いらしいね」と、どこからか、情報を得て来ていたそう。柔軟なアンテナを張っていた方だったのですね。

facebookをはじめる数カ月前からTwitterもスタート。facebookをはじめる時点で、Twitterのフォロワーが1000人ほどもいたそうです。フォロワーの中には多くのフォロワーを持つ人も少なくなかったとか。そのままfacebookに参加していただけたことも大きかったのでは、と話されます。

オーガニックの世界は、注目されつつも本気でやる人はまだ多くはない。情報を辿っていったら寺田本家さんに集まって来た。Twitterを通して、facebookを通して、知りあい、つながることができる。インターネットの最も良いところ、です。
「でもね、そこで終わってはいけないと思うんです。ちゃんと会って、顔を会わせて話をするっていうことも大切で、両方で接点があることが大事なんだと思います。人として、楽しい、おいしい、を実際に体験したり共有していくことが大事」

自社イベントやお酒のイベントに加え、エコ関係のイベントも多くありますが、Facebookだと告知もしやすい。様々なところで実際に会って話をする機会も多い。そこから、facebookへの参加も増える。相乗効果です。
無機質なネットを有機に変える。人気の秘密はオーガニックなネット活用のようです。

「写真もいい!」と、評判です。なんたって蔵元、元はカメラマンですから。