船上パーティで日本酒を!和醸和楽の試み。

プレゼントの当選者とデッキにて「和醸和楽」の水野会長(左)

リッチー・ホウティンさん、山同敦子さんと、素晴らしい日本酒応援者の方々をご紹介しましたが、もちろん、蔵元さんや酒販店さんたちだって自分たちの造る、勧める日本酒をたくさんの人たちに飲んでみてほしい!と活動されています。

そんな中で、積極的にイベントなどを行なっているグループが「和醸和楽」さん。蔵元さんと酒販店さん51人(2013年12月現在)が協力して活動されています。

 

2012年からスタートした日本酒クルーズと日本酒セミナー

「和醸和楽」は、日本酒需要の落ち込みが激しくなっていた2005年、蔵元や酒販店の若手有志が「何か始めなければ」と集まったのが発端でした。翌2006年10月1日、日本酒の日に結成。そして、2007年7月に記者会見を開いて正式にスタートしました。

最大の目的は「0杯を1杯に」、ということ。

「1〜2杯飲む人に3〜4杯飲んでもらおう」ということよりも、興味のない人、苦手だと思い込んでいる人に、日本酒のおいしさを知ってほしい。0杯……つまり飲まない人に1杯でも飲んでみてもらおう、というものです。

「0-1(ゼロイチ)運動」と表現することもあり、最近は日本酒が苦手な人にアドバイスしたり、飲み方の提案をしたりする場も多くなりましたが、「和醸和楽」さんがスタートしたのは、もう6年も前でした。

最初のアピールは、女性向けの日本酒セミナーや、銀座ウォーク。後者では、和醸和楽のメンバーと彼らを応援する飲食店の方達や愛飲家の方達約100人で、「10月1日、日本酒の日」を知ってもらおうと、銀座を歩きました。

昨年からはプログラムを一新。「辻調理師学園」で未来の料理人に向けて日本酒セミナー、ギャル系の若い女性に向けての日本酒セミナー、そして、年に1回、日本酒に馴染みのない女性を対象とした日本酒クルーズが、定期的なイベントになっています。

クリスマス・クルーズ、ニューイヤー・クルーズなど、気軽に楽しめる湾内クルーズもいろいろ組まれる季節ですが、そこにおいしい日本酒はあるでしょうか?

季節は冬になってしまいましたが、今年の秋に行なわれた日本酒クルーズの様子をお伝えします。これは日本酒初心者じゃなくても、参加したいクルーズですよね。

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『日高見』×八芳園=造り手のバトン

蔵元直搾りの酒も登場!

良い酒を提供することが恩返し。そんな自慢のお酒が揃いました。

少人数で蔵元を囲む贅沢な宴を提案している八方園の『蔵元さんと一緒に日本酒を愉しむ会』。

先月、お伝えした通り、第2回となる今回の蔵元は、宮城県石巻市から、平孝酒造の平井社長です。

平孝酒造・平井孝浩社長。

先月も触れましたが、間もなく東日本大震災から2年ということで、「思い起こしてほしい」、という八芳園さんの思いから、宮城県石巻市の『日高見』平孝酒造さんに来ていただいたこの会。

実は、震災直後の混乱の中にあった、4月20日、この八芳園で「チャリティー試飲会」が開かれました。

そこに、生き残ったもろみを搾り、「希望の光」と名づけて携え、参加したのが平井社長でした。

「槐樹」

その時も、蔵の無惨とも言える状況は説明しつつ、落ち込むより前へ、という姿勢だったそうです。

料理長の高橋直樹さん。

会場となるのは、和食をスタイリッシュにいただける「槐樹」です。


「少人数の会というので、少々不安を抱えてきましたら、知った顔があってほっとしました」と、冒頭、平井社長が語ったように、『日高見』だから、と訪れた人もいて、ファンの多さを思わせました。
そんなファンの方には、なおさら贅沢な、幸せな時間だったことと思います。

「寿司王子」、長じて「寿司おやじ?」と自称する平井さん、寿司とお酒への思いは「求道」と言いたくなるほど。
ついに、4月、『弥助』というお酒を出す予定だそうです。

たまたま、この会のあと、「弥助」という寿司店を見かけた私は、にんまりしてしまいました。

「『弥助』って?」
そう思った方は、人形浄瑠璃や歌舞伎の「義経千本桜」をぜひご鑑賞ください。

日本酒から広がる日本の伝統文化ワールド。広く深い世界が待っています。

 

 


『日高見』×八芳園=お待ちかねの2回目

「環境を整え、良い酒を造ることが恩返し」

八芳園さんが和食レストラン「白金料庭 槐樹」に蔵元さんを招いて開くお酒と料理の会、「蔵元さんと一緒に日本酒を愉しむ会」。第二回の今回は18人と、わずかに増えましたが、またしても少人数の贅沢この上ない会です。(1回目はこちら「『天狗舞』×八芳園」)

目の前に広い庭が広がるカウンターテーブル席などもある「白金料庭 槐樹」。そんな和食レストランの一角で、酒蔵さんがセレクトしたお酒を、料理長が、飲み方、順序も考え、お酒に合わせた料理を提供。
蔵元さん、料理長の見えない緊張感が伝わってくるような会ですね。

で、今回はどちらのお酒?と思ったら、宮城県石巻市の『日高見』平孝酒造さんとのこと。

東日本大震災から間もなく2年になるのを前に、改めて思い起こしていただきたいという八芳園さんの思いもあって、被災された蔵から平孝酒造の平井社長にいらしていただくことになったそうです。

平井社長 『日高見』は、現社長の平井さんが酒質にこだわって開発した、魚やお寿司によく合うスッキリ、きりっと旨味のある辛口のお酒です。そんな平井社長は、最近は「寿司王子」(ご本人曰く「寿司おやじ」)という呼び名も定着してきました。

実は、以前、取材に伺って、インターネットの記事にさせていただいたところ大反響をいただき(当日のアクセス数top!)、その後、NHKテレビの某番組で『日高見』さんが取り上げられた際には、写真が転用されまして……。

そんなご縁もあり、前回に引き続き、八芳園さんからお声をかけていただきました。

ということで、開催を前に現在の様子を伺うべく、上京した平井社長に少しだけ、現在の様子等伺ってきました。

もちろん、最新情報は、当日に直接お聞きください。

励ましのメッセージも多数届けられた。

前回、おじゃましたのがちょうど1年前、折れた屋根の垂木を補うために鉄骨で支えていたり、なかなかドアがきっちりしまらない箇所があったり、さらには、歪んだところから雨漏りが絶えず、ビニールシートでカバーして作業をしなければならなかったといいます。震災から10ヶ月ほど経っているのに、まだ、痛々しさが残っていました。

震災当時の辛い思い出も話してくださいましたが、そんな状況になると、却って「おれがやらねば」という当時の強いお気持ちが湧いて来て積極的に行動されていたという複雑な心境に、ことの大きさが想像されました。

その際にも、酒造りが終わったら修理に取りかかるというご予定等を伺ったのですが、全部とは言えないまでも、だいたい終え、酒造りに力を傾けられる環境が整ってこの冬を迎えられた、とのことです。

被害の様子(昨年1月)

ご自分も被災しているにもかかわらず、自ら義援金を作り出した平井社長ですが、いただいた義援金や援助に応えるのは、感謝の気持ちでおいしいお酒を造るしかない。そして、杜氏さんや蔵人が一生懸命造ったお酒をちゃんとした状態で、お客様へ届けるのが、社長としての自分の役目、とおっしゃいます。

当日は、どんな嬉しいご報告が聞かれるか。苦難を乗り越えて造り出されたお酒は、味わいも深く、より思いが伝わるものとなっていることと思います。

震災直後とその後に、お酒に添えられた平井社長からのメッセージはこちら

「さらにスペシャルなお酒を用意していますよ」

少しだけ、当日のお酒のお知らせしましょう。

●『日高見 吟醸うすにごり』

 東北でも雪国の日本海側とは違う宮城の冬。降った雪はすぐに溶けて、青空が広がり、うっすら雪景色。そんな光景を芸術的な観点で具現化できないかと、構想したお酒です。

●『日高見 超辛口純米』
江戸前の寿司を食べるために造ったお酒。コハダから赤身まで合います。

●『日高見 純米大吟醸 中取り』
入手困難な兵庫県東条町松沢地区の山田錦を長年の信頼関係から入手できるようになり、その記念に造られた、貴重で高級感あるお酒です。