「いいね!ランキング」上位蔵に聞く〜 南部酒造場

何気なくテレビの「新日本風土記」を見ていたら、見覚えのあるお名前が。
「南部さん」………? お店の正面が映って、やっぱり!Facebook(以下、FB)を見たら、ちゃんと告知されていました。

というわけで、ちょっとイレギュラーですが、「花垣」の南部酒造場さんにご登場いただきました。

 小さい蔵ならではの細やかな対応の「花垣」

 「小さな酒蔵なんですよ」と話すのは、南部酒造場の総務課・田中奈美さん。

「花垣」で知られる南部酒造場は、越前大野城の城下町に1901年(明治34年)、創業。石畳に面した七間通りで、700石を醸す酒蔵です。

後々、お話を伺っていくと、なかなか個性的な顔ぶれが揃うお蔵のようですが、田中さんご自身も、ぱきぱきっとしていて頼りがいある方のようです。

さて、どこのお蔵さんでもそうだと思いますが、テレビや雑誌に出た時をのぞけば、いきなり売れても理由が分からないこと、あります。ブログやHPに書いたことかな、とも思いますが、確証はない。

ところが、FBだと、誰かの発言やシェアがあったあとに急に注文が殺到したり。きっと、その影響だろうな、ということが分かります。

「お互いに、情報や行動が一方的な発信で終わらないところがいいですね」

と話す田中さん。お客様の『花垣』に関する投稿も積極的にシェアしています。それだけでなく、初めて「いいね!」を押してくれた方が、知っているお客様だと、「ありがとうございました」とメッセージも送ります。

「その方が、FBをはじめたばかりかもしれませんし、『花垣』を探して、見つけて来てくれたわけですから、ご挨拶したくなります」

その様子は、まるで店先での対面販売を思わせます。いつも買いに来てくださるお客さんの顔を見かけたら、思わず声をかけますよね。また、FBでは、その人となりが紹介されているので、その方が買いに来られるとFBの話題が糸口となって話が広がります。

事務所スタッフが4人。みなアカウントを持って、できるだけ目を通し情報を共有するようにしているのだそうです。

また、お酒の仕込みの情報も欠かせません。蔵人は5人いて、そのうち、杜氏と蔵人の一人(麹師)も投稿。事務系スタッフと蔵人は、毎日、昼休みに食堂で顔を会わせるので、そこが情報交換の場、打合せの場となるそうです。

酒造りの様子は動画でもアップされ、これは基本的には蔵人が録ってアップすることが多いそうです。蔵人は30代初めから40代半ばという若い、ほぼ同年代に集まっていることも、機械関係、ネット関係では心強いものです。

FBには、動画も上げる一方で、手書きの瓦版も公開されます。この瓦版、7年ほど前からあって、自由に持ち帰っていただくもので、田中さんが引き継いで5年ほどになります。当初は前任者同様、パソコンを駆使して作っていたそうですが、あまりにデキがよかったためか、内部で作っているとは思われず……。小規模、手造りでやっている蔵の個性が見えないと自ら申し出て、3年前から手書きになりました。以来、ずっとこのスタイルを続けているのだそうです。

という達者な田中さんですが、それは田中さんだけではありませんでした。

実はここの頭(かしら)、「仕込みの時期は蔵人、それ以外はIT担当主任」。HPの運営も担当し、酒造りが終わると、HPの変更や機械関係の修理や配置換えなど、相談事がどどっと押寄せるのだそうです。

さらに、先の麹師さんは、「冬は蔵人、夏は旅人……放浪者?」という強者。春になると酒造りで稼いだ資金を懐にあっという間に機上の人に。世界中からFBに投稿してくるので、それを見て、どこにいるのかが分かる、と。夏のタイムラインは、酒造場?と、ときどき不思議に思われるラインナップとなる、ユニークなお蔵さんなのです。

ところで、アンケートを拝見していて目が釘付けになったのが、これまでに最も反応のあったという投稿。それがご近所の和菓子屋さん情報だそう。嬉しいような寂しいような……。

斜め向かいが「伊藤順和堂」という老舗の和菓子店。老舗同士の南部酒造場さんとは、お互いにお客さんを案内する仲です。そこで、季節商品の情報を軽い気持ちでアップしたところ、思いもかけない反応で、その「いいね!」とコメントの数は破られていないのだとか。「大野へ来たら、石畳の七間通りで『花垣』買って、和菓子を買って」……。そんな常連さんの姿が目に浮かぶようです。……、やっぱり対面販売の延長線上にある。

さすが、福井県内で唯一、有機認定を受けている蔵だけあって、無機なネットも有機なものにしてしまうようです。

新酒の出荷情報も分かったら即、投稿。「どこで買えますか?」とすぐに問い合せが来るそうです。FBに参加していて良かった、と思うのはこんな時でしょうから、限られた出荷量の蔵にとってはお客様への有益なサービスとなります。

たくさんのお客様とそんなすてきな関係を築くためには、もっと、FBの存在を知ってもらい、参加していただくためのアピールも必要かな、と感じる今日この頃。HPのトップページにはFB開設以来の大きなバナーがありますが、それにもう一工夫をと思案中です。

蔵の雰囲気がよく現れている瓦版。記事面は割愛してありますのでホンモノはFBで。写真もひと手間。

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『日高見』×八芳園=造り手のバトン

蔵元直搾りの酒も登場!

良い酒を提供することが恩返し。そんな自慢のお酒が揃いました。

少人数で蔵元を囲む贅沢な宴を提案している八方園の『蔵元さんと一緒に日本酒を愉しむ会』。

先月、お伝えした通り、第2回となる今回の蔵元は、宮城県石巻市から、平孝酒造の平井社長です。

平孝酒造・平井孝浩社長。

先月も触れましたが、間もなく東日本大震災から2年ということで、「思い起こしてほしい」、という八芳園さんの思いから、宮城県石巻市の『日高見』平孝酒造さんに来ていただいたこの会。

実は、震災直後の混乱の中にあった、4月20日、この八芳園で「チャリティー試飲会」が開かれました。

そこに、生き残ったもろみを搾り、「希望の光」と名づけて携え、参加したのが平井社長でした。

「槐樹」

その時も、蔵の無惨とも言える状況は説明しつつ、落ち込むより前へ、という姿勢だったそうです。

料理長の高橋直樹さん。

会場となるのは、和食をスタイリッシュにいただける「槐樹」です。


「少人数の会というので、少々不安を抱えてきましたら、知った顔があってほっとしました」と、冒頭、平井社長が語ったように、『日高見』だから、と訪れた人もいて、ファンの多さを思わせました。
そんなファンの方には、なおさら贅沢な、幸せな時間だったことと思います。

「寿司王子」、長じて「寿司おやじ?」と自称する平井さん、寿司とお酒への思いは「求道」と言いたくなるほど。
ついに、4月、『弥助』というお酒を出す予定だそうです。

たまたま、この会のあと、「弥助」という寿司店を見かけた私は、にんまりしてしまいました。

「『弥助』って?」
そう思った方は、人形浄瑠璃や歌舞伎の「義経千本桜」をぜひご鑑賞ください。

日本酒から広がる日本の伝統文化ワールド。広く深い世界が待っています。

 

 


「いいね!ランキング」上位蔵に聞く〜泉橋酒造

「とんぼ」のメッセージがじんわり伝わり5位の『いづみ橋』

5位あたりまではほぼ定位置となっている「いいね!ランキング」。一気に増やして逆転、または反対に越されないよう、気にしているのかいないのか?

「実は気になっている」というのは泉橋酒造の専務、橋場由紀さんです。

でも、今のところはマイペースでいこうと思っているのだそうです。というのも、順位を追うよりも伝えたいことがはっきりしているから、ということのようです。

 神奈川県海老名市の地酒、『いづみ橋』さんは、とんぼのマークでお馴染みです。とんぼ、ヤゴ、最近は雪だるまの下にひっそり息づく卵も加わりました。

社名は「泉橋」銘柄は『いづみ橋』なのに、どうしてキャラクターは「とんぼ」なのか、ご存知でしたか?

Facebook(以下、FB)やホームページ(同、HP)をご覧の方はきっとご存知ですね。

青空を写しヤゴが泳ぎ回る夏の水田、波打つ黄金色の穂の上をとんぼが飛び回る秋の田んぼ、春を待つ卵が静かに眠る休息の田んぼ。そんな光景が見られるのは、田んぼに農薬が使われていないから。

「いづみ橋」のおいしいお酒はそんな田んぼで育てられた無農薬のお米だけから造られていることを「とんぼ」が語っているのでした。

酒造りがオフシーズンに入る春になると、苗作りや田植えなど、仲間が集まって半年ぶりの作業風景がアップされ、それから秋にかけて稲刈りなど、FBには、楽しそうな酒米作りの様子や田んぼの生きものたちが随時、報告されています。自分たちで米作りも行なっているのです。

みんなで米を作るようになったのは18年も前!のことなのだそうです 約80人でスタートし、今では200人以上に。きっと、毎年、楽しみにして集まって来られるのでしょうね。お迎えする側も食事の用意やら大変そうですが、それもまた、楽しい。

そして、酒造りの季節になると、酒蔵での仕事に関する話題が多く登場。1年を通してみると、お米から日本酒ができるという全容を知ることができます。

というのは、一歩引いて、泉橋酒造の作業風景を通して、「酒蔵というところが日々どんな仕事をしているのか知ってもらいたい」という視点を、伝える側が常に持っているせいかもしれません。

泉橋酒造独自のこと、酒造りの一般的なこと……、そう考えると、いろいろ目に入り、アップしたいことが多すぎて……。しつこくならない程度に、と、ぐっと自分で抑えているのだそうです。

また、添えるコメントも、それぞれ一言というわけではなくちゃんと説明されているのですが、ここで、もうひとつ心がけていることがあります。それは、「続きを読む……」をクリックしなくても読み切れる長さに留める、ということ。

「多くの人は、ぱっと見て理解して次へ行きたいものだと思うのでーー。でも、社長はブログも書いている影響で、長くなりがちなんですよね(笑)」

FBはご主人で社長の橋場友一さんと由紀さんのお二人でそれぞれアップしていますが、文章量も見分けるポイントのようです。

内容や時間がダブらないように、調整しながらやっているので、かち合ってしまった時には、どちらかがボツ、ということになってしまうそうです。

ところで、由紀さんが個人的にFBをはじめたのは2011年2月。同時にTwitterもはじめたのですが、その1ヶ月後に東日本大震災が起こり、期せずしてソーシャルメディアの利便性を実感することとなったそうです。

また、社長は、震災後に酒蔵、飲食店、酒販店、愛飲家をつないで義援金の協力を訴えて多くの賛同を得た「ファイト!日本、義援金プロジェクト」の事務局にもなっていて、そちらでもソーシャルメディアは、大活用されたそうです。(記事はこちら

HPも、18年も前に知人がいち早くHPデザインをやりはじめたことから、開設することとなった泉橋酒造さん。HPの存在自体が珍しくて、新聞で紹介されたほどだったという、長いHP歴です。ただし、更新は若干の手間がかかるため、もっと頻繁に気軽に更新したいと思っていたのだそう。FBの手軽さは待っていたメディアと言えるようです。

そして、FBをスタートした矢先に「いいね!日本酒。」からお声をかけさせていただき、ご参加いただいた。当初は順位が気になり見るのもためらわれたというランキングも、気がつけば上位の常連。今では、この位置をキープするかさらに上にいくか、と良い意味で刺激になっているそうです。

中央の“ヌケ”の良すぎる写真は泉橋酒造さんの蔵の周りの風景。よく見ると月も浮かんでいます。都心のすぐ近くと思えない、豊かな環境です。左は話題の雪だるまラベル。雪(由紀)の結晶もすてきです。右の写真は一昨年のものですが、あまり見ることのできない生酛作りの様子。

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