『日高見』×八芳園=お待ちかねの2回目

「環境を整え、良い酒を造ることが恩返し」

八芳園さんが和食レストラン「白金料庭 槐樹」に蔵元さんを招いて開くお酒と料理の会、「蔵元さんと一緒に日本酒を愉しむ会」。第二回の今回は18人と、わずかに増えましたが、またしても少人数の贅沢この上ない会です。(1回目はこちら「『天狗舞』×八芳園」)

目の前に広い庭が広がるカウンターテーブル席などもある「白金料庭 槐樹」。そんな和食レストランの一角で、酒蔵さんがセレクトしたお酒を、料理長が、飲み方、順序も考え、お酒に合わせた料理を提供。
蔵元さん、料理長の見えない緊張感が伝わってくるような会ですね。

で、今回はどちらのお酒?と思ったら、宮城県石巻市の『日高見』平孝酒造さんとのこと。

東日本大震災から間もなく2年になるのを前に、改めて思い起こしていただきたいという八芳園さんの思いもあって、被災された蔵から平孝酒造の平井社長にいらしていただくことになったそうです。

平井社長 『日高見』は、現社長の平井さんが酒質にこだわって開発した、魚やお寿司によく合うスッキリ、きりっと旨味のある辛口のお酒です。そんな平井社長は、最近は「寿司王子」(ご本人曰く「寿司おやじ」)という呼び名も定着してきました。

実は、以前、取材に伺って、インターネットの記事にさせていただいたところ大反響をいただき(当日のアクセス数top!)、その後、NHKテレビの某番組で『日高見』さんが取り上げられた際には、写真が転用されまして……。

そんなご縁もあり、前回に引き続き、八芳園さんからお声をかけていただきました。

ということで、開催を前に現在の様子を伺うべく、上京した平井社長に少しだけ、現在の様子等伺ってきました。

もちろん、最新情報は、当日に直接お聞きください。

励ましのメッセージも多数届けられた。

前回、おじゃましたのがちょうど1年前、折れた屋根の垂木を補うために鉄骨で支えていたり、なかなかドアがきっちりしまらない箇所があったり、さらには、歪んだところから雨漏りが絶えず、ビニールシートでカバーして作業をしなければならなかったといいます。震災から10ヶ月ほど経っているのに、まだ、痛々しさが残っていました。

震災当時の辛い思い出も話してくださいましたが、そんな状況になると、却って「おれがやらねば」という当時の強いお気持ちが湧いて来て積極的に行動されていたという複雑な心境に、ことの大きさが想像されました。

その際にも、酒造りが終わったら修理に取りかかるというご予定等を伺ったのですが、全部とは言えないまでも、だいたい終え、酒造りに力を傾けられる環境が整ってこの冬を迎えられた、とのことです。

被害の様子(昨年1月)

ご自分も被災しているにもかかわらず、自ら義援金を作り出した平井社長ですが、いただいた義援金や援助に応えるのは、感謝の気持ちでおいしいお酒を造るしかない。そして、杜氏さんや蔵人が一生懸命造ったお酒をちゃんとした状態で、お客様へ届けるのが、社長としての自分の役目、とおっしゃいます。

当日は、どんな嬉しいご報告が聞かれるか。苦難を乗り越えて造り出されたお酒は、味わいも深く、より思いが伝わるものとなっていることと思います。

震災直後とその後に、お酒に添えられた平井社長からのメッセージはこちら

「さらにスペシャルなお酒を用意していますよ」

少しだけ、当日のお酒のお知らせしましょう。

●『日高見 吟醸うすにごり』

 東北でも雪国の日本海側とは違う宮城の冬。降った雪はすぐに溶けて、青空が広がり、うっすら雪景色。そんな光景を芸術的な観点で具現化できないかと、構想したお酒です。

●『日高見 超辛口純米』
江戸前の寿司を食べるために造ったお酒。コハダから赤身まで合います。

●『日高見 純米大吟醸 中取り』
入手困難な兵庫県東条町松沢地区の山田錦を長年の信頼関係から入手できるようになり、その記念に造られた、貴重で高級感あるお酒です。


「いいね!ランキング」上位蔵に聞く〜 中野BC

同年代の女性にもっと日本酒を!と16位の『長久』『紀伊国屋文左衛門』

 「おじいちゃんが『長久』をよく飲んでいたんです」と懐かしい思い出を話してくださったのは、中野BCさんで、インターネット関係を担当されている山中真梨奈さん。まだ20代前半という彼女に、いきなり脱線ですが、日本酒の印象を伺ってみました。

「正直言って、入社するまでは、日本酒って、年齢の高い男性のものと思っていました。学生時代のおいしくないお酒のイメージもありましたし。でも、地元企業として誇れる会社であり、それを広める手伝いができたら、と思いまして入社を希望。入社しておいしいお酒、おいしい飲み方を教えてもらい、女性にとってもおいしく飲めて楽しめるものだと、改めて感じています」

お友達は?と聞いたところ、「日本酒を理解する女友達はまだ少ない」とのこと。

若い女性の日本酒ファンが増えたと話題になったりもしますが、山中さんが話してくれたことが、実は、まだ大多数の声でしょう。ということは、その良さを知らない人がまだまだいる、まだまだ広がる可能性がある、ということですね。

さて、本題です。

ホームページにネットショップ、ブログにfacebookにTwitter……と、インターネット周辺で対応しなければならないことがどんどん増え、選任スタッフを置く酒蔵さんも増えてきました。

社員数約140人という中野BCさんで担当されている山中真梨奈さんも、その周辺をカバーするため昨年夏に入社。ご多忙な専務から引き継いで半年ほどになります。

1日1回の投稿を心がけ、「いいね!」の増加が集中している時間帯の前にはアップするようにしたり、インサイトも参考にして記事のアップを考えるといいます。

写真がきれいだなぁ、と思ったら、カメラは会社に常備している1眼レフ。加えて、学生時代(ワリとつい最近のこと^^)にフリーペーパーを作ったりしていたのだそう。写真加工ソフトのphotoshopも使いこなして、演出しているそうです。

「きれいな写真を心がけているのは、女性にもっと参加してほしいから。やはり、まだまだ周りには同年代で日本酒の良さに気づいていない人が多いんです」

梅酒で人気の蔵元さんですから、梅酒のファンとしてFBに参加した人たちにも、日本酒のおいしさを知ってほしいところですね。

蔵見学やイベントに来られたお客さんは本人の承諾を得られればなるべく載せたいということで、『月向BAR2012』で、梅酒の瓶を象った「イイね!」の手形プレートを作って持ってもらったところ、みなさん、楽しんで参加してくれたそうです。シェアしてくれた人もいたとか。掲載の承諾が取れない時には、人物を小さくしたり、顔をぼかしたりとの配慮は忘れないようにしています。

2月3日には『日本酒BAR 2013』がありますから、きっと日本酒版の「いいね!」プレートが登場する、のかな? ぜひ、「日本酒『いいね!』アルバム」を作ってもらって、シェアさせていただきたいです。

ところで、この「日本酒BAR2013」、最初に500円でお猪口付きの1杯めを買ってしまえば、後は用意されたどれを飲んでも1杯100円! 笑福亭由瓶氏の落語会はあるし、おつまみもあるし……、日本庭園を眺めながら、なんだか幸せな時間を過ごせそうで………行きたくなります………。

まだまだFBを活用しているのは若い年代が多いということを考えると、入門編的な情報をこまめに出していくことも日本酒ファンの裾野を広げることになります。

ただ、前述の通り日本酒はいわば初心者とのこと。今はいろんなことが新鮮で、好奇心のアンテナに次々と情報が飛び込み、間違えないようにと緊張感も持ってブログやFBの画面に向かっています。幸い、蔵のみなさんがいろんな質問に快く応えてくださるので、今はいろんなことを吸収するのが楽しい毎日だそうです。

「日本酒は昨日今日できた新しいものではないので、深い知識を持った方達も見ることになります。より正しい情報を発信するためにしっかり学んでおかないと……」

1本のメッセージを書くだけでも慎重に慎重を重ねてのことといいます。

山中さんは、ユーザーの方々に向けての発信に加え、社内にもFBの発信や共有を呼びかけています。

例えば、酒蔵見学にいらした方が抽選のプレゼントに当たってFBに喜びと感想のコメントを書き込んでくれたことがあり、さらにそれを社内で共有できたのだそうです。それもFBならではのこと、です。だから、

「お客様が積極的にコメントを寄せてくれるFBという場では、お客様と接する機会があまりとれない現場の人たちも、日頃、自分たちの造っているお酒がどのように受け止められているのか、どんな人たちが飲んでくれているのかを直接知ることができる場であると思っています」

そこで、見ることはできても、返事を返したいけれど投稿は苦手、という人たちのために、素材や意見を預かって、代わりに投稿することも積極的に行なっています。

さまざまな角度からFBを使い切っている、そんな風景が見えてきます。

さりげなく季節の便り。/手作りの「イイね!」プレートと笑顔がすてきです。/もろみが1週間で変化する様子を紹介。

 ところで、日本酒に加え、和歌山ということで梅酒等の果実酒で知られる中野BCさん。「BC」が気になっていたのですが、「Biochemical Creation」の略で生化学の創造を意味するとのこと。日本酒、梅酒、それらから派生する健康食品、化粧品など、幅広く作っていらっしゃいます。日本酒と梅酒の製造時期がちょうど反対なので、情報発信のテーマには困らないようです。

アンケートの結果はこちら

 


「聖地巡盃」賑やかに発進!

 神社とお酒の深〜い関係にとことんこだわる

このブログでもたびたびお知らせしてきました「聖地巡盃」ツアー。

日本各地に根ざした「神」と「酒」を通し、奥深い日本の心に触れる旅としてご提案させていただきました。そして、モニターツアーを経てブラッシュアップ。ついに、本格始動いたします。

第1回となるツアーは、モニターツアーの際に、伝々も参加した、会津若松(リポートはこちら)です。今は大河ドラマ「八重の桜」(NHK)で話題沸騰中ですね。そうです。会津娘に注目!なのです。

そして先日、このツアーを盛り上げていこう!という有志が集い、説明会&キックオフ宴会が行なわれました。

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第一部は、飲食おあづけで、まじめなお話です。

まずは、瀧本徹観光庁観光地域振興部長による「酒蔵ツーリズム(R)」のお話。地酒ファンにとっては、聞いただけで嬉しくなりますね。

観光庁観光地域振興部長・瀧本徹さん

澄んだおいしい水が豊富なところに酒蔵が集まります。そんなところは、自然も豊かなところが多いもの。そうなれば、訪れるだけでもぜったい楽しめる……、と、西条の『酒まつり』で、もまれにもまれた伝々は思いを馳せます。

実は、西条に行った際、密かに竹原に足を延ばしたり、先日は、京都で伏見の酒蔵通りを歩いて、「ひとり酒蔵ツアー」をして来たのでした。そのリポートも追々お伝えします。

続いて、「日本文化とお酒」と言ったら、まずはこの方。島根で行われた「 日本酒で乾杯推進会議 島根大会」でもお会いした、神崎宣武先生。「旅の文化研究所」所長で、宮司でもいらっしゃいます。

先生のお話は、目からウロコで、ちょっと笑って、とても勉強させていただいた講演だったので、それがこんな少人数で……、贅沢なことです。

旅の文化研究所々長・神崎宣武さん

「『神社』と『お酒』」と聞いては、これほど語れる方はいらっしゃいませんが、神崎先生ご自身も、このツアーに対して期待されているのだなぁ、という思いが伝わってきました。ちなみに、このツアーに向けての推薦文も書いてくださり、ツアーサイトやフライヤーに載っていました。ぜひ、ご一読を。

さて、このツアーのテーマである神と酒との密接なつながりを語ってくださったのですが、「酒」の語源についての詳しい解説からスタート。「さ・け」は、「特別に清らかな飲物」ということを意味し、まず最初に神様に食べていただくもの、なのだそうです。酒そのものも神様が醸したもの、という古歌が残っているそうです。

お話の中で、「礼講なくして無礼講なし」というお言葉。神様がくださるお酒を敬って上座から順にいただく、賞玩する、これが礼講。それが終わって初めて無礼講となる。自由に、下座から飲み残しの酒をまわすなどもオッケーで、楽しく飲みましょう、ということになる。

そういう神様とお酒の関係を、本来の連続したものとして知ることができ、旅の中で体験することができるという意味でも、「聖地巡盃」の意義があるとのこと。

深い深い意味があったんです。

前回のツアーでも伊佐須美神社の宮司さんが、お祓いしたというお酒「徹下酒」を下さり、一同大感激だったのです。ちゃんとお祓いされたものをいただく機会って、そうないですよね。

今回のツアーでもちゃんと用意されているようです。

アリス・ゴーデンカーさん

前回の会津若松ツアーでご一緒させていただいた「ジャパンタイムス」のアリス・ゴーデンカーさんから、モニターツアーの体験談。

日本在住の外国人が喜びそう!というご意見。なるほどなるほど。

それに加え、彼女が鶴ヶ城で、土産物屋の前にある「顔出しパネル」をおもしろがって取材しているなぁと思って見てたら、ちゃんとその記事を書いたのだそう。いろんな視点があるものです。

さて、ここまでのお話が、いわば、礼講とでも言いましょうか。ここから先は無礼講……ですよね。

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いよいよ2部の懇親会、「直会(なおらい)」です。

『末廣』醸造元・末廣酒造・代表取締役社長・新城猪之吉さん。/当日のお酒。左から「『末廣』初しぼり 純米吟醸原酒生」「大吟醸『玄宰』」「『咲くら』極上純米酒」「『咲くら』極上山廃純米酒」「『咲くら』極上本醸造辛口」

5種類のお酒を提供してくださった、今回のツアー先である「末廣酒造株式会社」の新城猪之吉社長によるお酒の説明。いつも通り、おやじギャグを交えながらの解説に、笑ったり笑えなかったり……。ところが、こと「会津」、「神と酒」の話題になると、真剣なご様子です。

「末廣」さんの中でも最もハイクラスのお酒「玄宰」は会津藩の家老・田中玄宰から取った銘柄名とのこと。正しくは「たなかはるなか」と読むところが、みんな「げんさいさん」と呼んでいたそうな。5代藩主の松平容頌(かたのぶ)に遣え、もり立てた人。会津の人たちの尊敬を集めているのだそうです。

そして、最後に、

「酒屋である自分は『いつも神様に造らされている』という気がしている。神様に造ってもらってできた酒だから、神様に真っ先に捧げる。これは、酒屋にとって当たり前のこと」と。

酒蔵の人たちはもしかしたら、そんな思いで酒造りをしている方も多いのかもしれない、と思ったら、お酒は無駄にしてはいけませんね。おいしくいただきたいですね。(ただの、飲む言い訳です;;)

そのまま、懇親会のスタートを告げる乾杯です。

「カンパーイ」。まだ静かですが……。

今回の会場「咲くら」は、先の写真にあるように、「末廣」さんとのコラボのお酒もあるお店。店長から料理説明をいただきましたが、豊富なメニューに圧倒されます。

ちょっと私事を差し挟ませていただきますと、次から次へとおいしそうな料理が出て来るのですが、参加者の方々と話はしたいわ、料理は食べたいわ、仕事はしなきゃいけないわ……プチ・パニック……でした……。あー、タッパーがあれば……。

というわけで、場がくつろぐのに時間はかからず、会場を見渡せば、こっちではまじめな顔して酒蔵ツーリズム(R)について激論を交わしているかと思えば、こちらでは神社のお参りの話、こちらではお酒の話、あちらはただただ宴会、と、各所で盛り上がっていました。

お約束だった抽選会。5本ずつご用意いただいたプレゼントに、見事!当たったお二人を、両手に花で上きげんの新城社長。 向かって右は酒サムライコーディネーターの平出淑恵さん。/「八重の桜」(NHK)記念のお酒『純米吟醸 八重さん』と「ぜひ、バレンタインに活用を!」と『末廣 純米吟醸 イエローラベル』

そして、宴もたけなわ、中締めの前に、酒サムライ・コーディネイターの平出さんから一言いただきました。

「神崎先生のお話を聞いて、自分が日本酒を海外に紹介していくことの意義と紹介すべき視点、裏付けを発見できた」、とのご感想でした。

楽しい時間はあっという間です。

新垣慶太観光庁観光地域振興部観光資源課長による音頭で締め、散会となりました。

神社と酒のプロフェッショナル・神崎先生から、「会津のこととなれば」いつになくまじめな姿を見せた新城社長まで、いろんな人の思いと期待が詰まったツアーなんだなぁ、と改めて思わされ……、ますます行きたくなりました!

新城社長、いつかきっと、奥さまと2ショットを見せてくださいね!

おいしいお酒とその土地の料理の夕食が待っている。

ツアーのフライヤーはこちら→ 「聖地巡盃
聖地巡盃会津若松ツアー(表)聖地巡盃会津若松ツアー(裏)

 


新しい年もおいしく楽しく「いいね!日本酒。」!

明けましておめでとうございます。

年の暮れには、いくつもの忘年会で楽しい仲間とおいしいお酒をいただいて、
いろんなことがあった1年を締めくくられたことと思います。

昨年はたくさんの楽しい席に伺い、
幸せそうな笑顔を取材させていただきました。
ご協力下さったみなさま、本当にありがとうございました。

そして、明けた新しい年を、
みなさんは、どこで、どんな風に迎えられたでしょうか。

今年も、楽しい仲間とおいしいお酒を酌み交わす幸せと、
お酒を通じて様々な人と知り合い、つながり、紡ぎ、育める幸せを、
一緒に楽しんで、伝えていけたら、と思います。