「いいね!ランキング」上位蔵に聞く〜 大雪渓酒造

思わず目を引く大雪渓酒造さんのfacebook(以下FB)にあるカバー写真。この絵柄には、出だしからやられちゃいますが、ちょっと別件の話題からスタートさせていただきます。

というのも、先頃、発表されました、「IWC(International Wine Challenge)」のSAKE部門メダル賞で、見事、「大雪渓 純米大吟醸原酒」が「純米吟醸酒・純米大吟醸酒の部」ゴールドを、「大雪渓 限定純米酒」が「純米酒の部」のブロンズを受賞されました! これらを含めた受賞酒は、さらに、トロフィーの発表、チャンピオンの発表へと続きます。ぜひ、チャンピオンを! 応援していきたいですね。

ダイナミックな、繊細な、自然を写し出し14位の『大雪渓』

さて、本題です。

まず冒頭のカバー写真。男性陣が恵方飲みをする、の図なのですが、一番右、もしかして……の杜氏さんでした!

しかもこの写真は今年のものではなく、昨年の節分にノリで撮ったものだそうです。ブログに載せられたそうですので、ご記憶されている方もいらっしゃるでしょうか。節分に合せたブログ用の写真を撮ろうとあれこれ考え、誰が言い出したのか、恵方巻、ではなくて、どうせなら酒瓶で恵方飲み(の格好)、となったのだそう。今年辺りは一部でかなりポピュラーになっていますが、その発端は、もしかして、この写真!?

「言い出したのは杜氏さんだったかな‥‥。『いいね!日本酒。』さんから、『日本一気さくな杜氏』(こちらを参照)と、お墨付きも頂いていますし(笑)」

と、今回、お話を聞かせていただいたのは、大雪渓酒造の企画室長、薄井結行(ゆうき)さんです。

きさくな杜氏さんが指揮を取る酒造りは、きっとみなさん和気あいあいとして、まさに「和醸良酒」な仕上がりなのだろうと想像できますね。

こんなユニークな大雪渓さんのfacebook、徹底して、ダイナミックな北アルプスの山並みや可憐な花々など、美しい自然を写し出す写真を多用しています。お酒の瓶などの商品や蔵の様子は、まるで思い出したようにぽろっと登場する程度。……酒造メーカーさん、ですよね?

「ウチの酒蔵は、安曇野の恵まれた自然の中でお酒を造らせてもらっているので、そのことを知っていただくには、写真で見ていただくのが一番良いですから」

思いっきりの良さ、です。

朝、出社してホッと一息つくと目の前には昨日とは表情の違う山並みの美しさ。で、つい、カメラを向けてしまう。日々、違う表情を見せるのですから、残しておきたくなる、見てほしくなるのも無理はありません。

頂きに残る雪が地面に染み込んで、ゆっくりゆっくり濾過されて伏流水となり、やがて、酒蔵のあるところまで流れてくる……。

「水は豊富なんです。井戸も敷地内にありますし。

ほんとは、蔵人やスタッフなど人物ももっと登場させたいのですが、恥ずかしがる人が多いんですよ。それに、商品を載せるより、自然の写真の方が、反応がありますから」

造り手でもあった薄井さんですから、蔵人さんへの気遣いもあるようです。

それにしても、ほぼ毎日アップしているというタイムラインに対して、コメントの多さ、シェアの多さが目を引きます。シェアしてくれた方のお友達が写真に引かれてふらりと見にきてくれる、というケースが少なくないのでは?とおっしゃいます。

「せっかくですから、日本酒に興味のなかった人、大雪渓を知らない人にも興味を持つきっかけになってくれたら良いなと思います。そして、知っていただいたら、その環境の中で造っているということ、この大自然と『大雪渓』が一緒に記憶に残ればうれしいですし」

そして、もちろん「いいね!」も増やしたい。

入り口は、郷土の自然……。ダイレクトなテーマではないけれど、地酒ならではの個性を作り出す、酒造りの背景、重要な要素です。

桜のシーズンだった4月15日に、残雪の北アルプスと桜を背景にした菰樽の写真をアップしたところ、約1ヶ月経った5月17日現在で、ファン数907にして、いいね!が233、コメント12、シェア22、見た人の数は5000を越えているのだそうです。「いいね!日本酒。」も見習わねば(本音は“あやかりたい”)と思ってしまう反響の良さです。

「我が社から車で5分もかからないところで、車のルーフに菰樽乗せて撮っただけ。木の間に挟んでみたりもしたんですけど、うまくいかなくて……」

どれも、カレンダーやポストカードにしたくなるようなクオリティです。これらは全て薄井さんによる撮影。なのですが、薄井さんが写真をはじめたのは半年ほど前。とあるきっかけ(ご想像通りです^^)でカメラを買ったので、何かあったら持ち歩いているとのこと。センスなんですよね。

「いいね!」の数も写真をアップする前は400程度、それが現在は倍以上。写真の力は大きいですね。お酒の造られている風景、大切な要素です。

そして、毎日つくコメントへ返事を返すのが毎朝の日課。そんなやり取りがコミュニティツールとしてのFBの最大の利点です。

また、コミュニケーションできるFBの意外な活用例がありました。FBだけで紹介するお酒、FBで希望を募って作ったセットなども、ほかのお蔵さんでありましたが、何と、大雪渓さん、お酒2本と徳利セット&お猪口2個のお値段をFB上で投げかけたのでした。頂いたコメントを参考に決めたお値段で頒布したところ、あっという間に完売したそうです。

最も参考になるアンケートかもしれません。

「『いいね!』が1000になったら、また新しい展開があるかもしれませんね」

そう話す1000のカウントも目の前です。

美しい自然が満載

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「いいね!ランキング」上位蔵に聞く〜 本家松浦酒造

日本酒を女性に! 徹底した気持ちが伝わり9位の「鳴門鯛」

創業は文化元年(1804)。明治19年(1886)から「鳴門鯛」という銘柄で醸し続けている歴史ある本家松浦酒造さん。徳島県と言えば鳴門。激しい鳴門の渦にもまれて育ち、身の引き締まった鯛によく合うお酒です。

ところが、ホームページやfacebook(以下FB)をのぞくと、現れるのは酒粕ケーキだったり「女子」の文字だったり……。女性に向けて発信していることが分かりすぎるほど表現されています。

確かに、最近、女性の日本酒人気は高くなっていて、女性に向けたアピールも増えています。けれど、ここまで徹底しているのは珍しい。やはりそこから伺わなければ。

 答えてくださったのは、IT企業に長く勤めて家業に入り、2011年に現職に就かれた松浦素子社長です。


「やはり、女性に注目してほしいという思いが強いんです」


「鳴門鯛」という歴史ある銘柄やロゴマークは守っていきたい。変えるつもりはない。その一方で、もちろん女性ファンが増えているという現状を捉えたアピールでもあります。けれど、もっと深い理由があったのです。

社長が会社に入って間もなく、小学校の社会見学、企業訪問で、子どもたちが蔵を訪れました。ところが、中に居心地の悪そうな子どもがいたので、尋ねたそうです。

「お酒とタバコはどっちが体に悪いと思う?」

その答えは「お酒」。

驚いて、他の子どもたちに「みんなもそう思う?」と聞いてみたら、大勢の子どもが「そうそう」と相づちを打ったというのです。

子どもが口にする言葉の陰には親の影響が大きいもの。特に母親の認識や意志が強いでしょう。母親がお酒に対して良い印象を持たないと、そのことが子どもに伝わる。

そこで、「この事実をちゃんと認識して対応しなければならない」と、気持ちを引き締めます。それと共に、女性に向けて発信し、特にこれから母親になるであろう若い女性から日本酒への悪い印象を払拭したい、親しんでほしい、と考えたそうです。

日本酒を愛する身には、なんとも切なくなるエピソードですが、これも現実です。


それと同時に、やはりお酒がおいしいものでなければいけません。

2008年からは、弟で専務の松浦正治さんが杜氏を務め、2010年には早くも「鳴門鯛 大吟醸」が「全米日本酒鑑評会」において金賞を受賞。2012年に全国新酒鑑評会で金賞受賞。順調のようですが、姉として、社長として、まずは杜氏が、自分の味、酒質を極めてほしい、と語ります。

そして、杜氏の仕事を側面からサポートする意味でも、
「FBでは、もっと蔵の日常を紹介して、酒造りというものを伝えていきたいんです。一般の人にとっては接点のない世界ですから、見えてきませんよね」と語ります。

実は、社長ご自身、酒蔵の娘として育ってはいても、蔵と自宅が離れていたこと、そして、早くに家を出てしまったので、全く様子は分からなかったのだそうです。

「自社に入り、改めて酒造りの様子を見てみると、みんな黙々と、あうんの呼吸で作業を進めていく。その背景では、例えば米が蒸されていく音が聞こえるだけ。本当に手造りで、心意気で造っていることが伝わってくる……。その空気感までをも伝えたい、と」思ったのです。

酒造りの季節に酒蔵見学をしたことがある人なら、 何も言わずとも蔵人たちが自分の技術を持って黙々と役割をこなす姿に、感動すら覚えたのではないでしょうか。

社長のこの目線は、日本酒入門女子にも訴えるものだと思います。
加えて杜氏は女性好みの優しくフルーティなお酒も得意、と社長は見ています。その面でも女性にきっとアピールできる。

さて、肝心の「いいね!」が上がった背景は?

「酒粕ケーキの発売前後ですね。昨年の11月発売でしたが、その前は300程度だったのが、3ヶ月たたずに800台まで上がりましたから」
………。

さらに、IT企業ご出身の社長だけに、ご自身のFB友達が1000人以上! スタート時はそのお友達に声をかけて増やしていったのだそうです。そして、
「『いいね!日本酒。』ランキングで20位以内に入って、全国の方に『鳴門鯛』の存在を知ってほしい、と強く思っていたんです。それで、酒粕ケーキに取り組んだ」

奮起するきっかけの一つに「いいね!日本酒。」のランキングもあったとのことで、こそばゆいですが、うれしいですね。

しかし、ポイントアップの秘訣は酒粕ケーキ!?
王道ではないかもしれませんが、入ってくれた人たちがちゃんと残っている。きっかけは別でも、いつの間にか日本酒の魅力に触れ、気づいて、好きになってくれる。可能性を強く感じます。

女性が嬉しくなるような絵柄があふれています。少しずつでも日本酒に興味をもってもらいたい、と、その隙間に酒造りの様子をしのばせて。

「これからの課題は、会社紹介とショッピングのサイトを分けて、役割を明確にすること。それと、HPのFBへの入り口ももうちょっと入りやすいものにしたい」
そう話されたと思ったら、HPが、もうリニューアルされていました。仕事が早い。

歴史と伝統の日本酒の世界。それに相反すると思われるITの世界。
しかし、それが一緒になったら、こんなに強力なバリュー、価値と発信力はない。それは日本国内だけに止まらない可能性を持っている。そのことを良くご存知で、まだ少々の戸惑いも持ちながら、「これしかない」という思いで運営されているようです。

日本酒の新しい世界への突破口は、こんなところにあるのかもしれません。

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「いいね!ランキング」上位蔵に聞く〜 南部酒造場

何気なくテレビの「新日本風土記」を見ていたら、見覚えのあるお名前が。
「南部さん」………? お店の正面が映って、やっぱり!Facebook(以下、FB)を見たら、ちゃんと告知されていました。

というわけで、ちょっとイレギュラーですが、「花垣」の南部酒造場さんにご登場いただきました。

 小さい蔵ならではの細やかな対応の「花垣」

 「小さな酒蔵なんですよ」と話すのは、南部酒造場の総務課・田中奈美さん。

「花垣」で知られる南部酒造場は、越前大野城の城下町に1901年(明治34年)、創業。石畳に面した七間通りで、700石を醸す酒蔵です。

後々、お話を伺っていくと、なかなか個性的な顔ぶれが揃うお蔵のようですが、田中さんご自身も、ぱきぱきっとしていて頼りがいある方のようです。

さて、どこのお蔵さんでもそうだと思いますが、テレビや雑誌に出た時をのぞけば、いきなり売れても理由が分からないこと、あります。ブログやHPに書いたことかな、とも思いますが、確証はない。

ところが、FBだと、誰かの発言やシェアがあったあとに急に注文が殺到したり。きっと、その影響だろうな、ということが分かります。

「お互いに、情報や行動が一方的な発信で終わらないところがいいですね」

と話す田中さん。お客様の『花垣』に関する投稿も積極的にシェアしています。それだけでなく、初めて「いいね!」を押してくれた方が、知っているお客様だと、「ありがとうございました」とメッセージも送ります。

「その方が、FBをはじめたばかりかもしれませんし、『花垣』を探して、見つけて来てくれたわけですから、ご挨拶したくなります」

その様子は、まるで店先での対面販売を思わせます。いつも買いに来てくださるお客さんの顔を見かけたら、思わず声をかけますよね。また、FBでは、その人となりが紹介されているので、その方が買いに来られるとFBの話題が糸口となって話が広がります。

事務所スタッフが4人。みなアカウントを持って、できるだけ目を通し情報を共有するようにしているのだそうです。

また、お酒の仕込みの情報も欠かせません。蔵人は5人いて、そのうち、杜氏と蔵人の一人(麹師)も投稿。事務系スタッフと蔵人は、毎日、昼休みに食堂で顔を会わせるので、そこが情報交換の場、打合せの場となるそうです。

酒造りの様子は動画でもアップされ、これは基本的には蔵人が録ってアップすることが多いそうです。蔵人は30代初めから40代半ばという若い、ほぼ同年代に集まっていることも、機械関係、ネット関係では心強いものです。

FBには、動画も上げる一方で、手書きの瓦版も公開されます。この瓦版、7年ほど前からあって、自由に持ち帰っていただくもので、田中さんが引き継いで5年ほどになります。当初は前任者同様、パソコンを駆使して作っていたそうですが、あまりにデキがよかったためか、内部で作っているとは思われず……。小規模、手造りでやっている蔵の個性が見えないと自ら申し出て、3年前から手書きになりました。以来、ずっとこのスタイルを続けているのだそうです。

という達者な田中さんですが、それは田中さんだけではありませんでした。

実はここの頭(かしら)、「仕込みの時期は蔵人、それ以外はIT担当主任」。HPの運営も担当し、酒造りが終わると、HPの変更や機械関係の修理や配置換えなど、相談事がどどっと押寄せるのだそうです。

さらに、先の麹師さんは、「冬は蔵人、夏は旅人……放浪者?」という強者。春になると酒造りで稼いだ資金を懐にあっという間に機上の人に。世界中からFBに投稿してくるので、それを見て、どこにいるのかが分かる、と。夏のタイムラインは、酒造場?と、ときどき不思議に思われるラインナップとなる、ユニークなお蔵さんなのです。

ところで、アンケートを拝見していて目が釘付けになったのが、これまでに最も反応のあったという投稿。それがご近所の和菓子屋さん情報だそう。嬉しいような寂しいような……。

斜め向かいが「伊藤順和堂」という老舗の和菓子店。老舗同士の南部酒造場さんとは、お互いにお客さんを案内する仲です。そこで、季節商品の情報を軽い気持ちでアップしたところ、思いもかけない反応で、その「いいね!」とコメントの数は破られていないのだとか。「大野へ来たら、石畳の七間通りで『花垣』買って、和菓子を買って」……。そんな常連さんの姿が目に浮かぶようです。……、やっぱり対面販売の延長線上にある。

さすが、福井県内で唯一、有機認定を受けている蔵だけあって、無機なネットも有機なものにしてしまうようです。

新酒の出荷情報も分かったら即、投稿。「どこで買えますか?」とすぐに問い合せが来るそうです。FBに参加していて良かった、と思うのはこんな時でしょうから、限られた出荷量の蔵にとってはお客様への有益なサービスとなります。

たくさんのお客様とそんなすてきな関係を築くためには、もっと、FBの存在を知ってもらい、参加していただくためのアピールも必要かな、と感じる今日この頃。HPのトップページにはFB開設以来の大きなバナーがありますが、それにもう一工夫をと思案中です。

蔵の雰囲気がよく現れている瓦版。記事面は割愛してありますのでホンモノはFBで。写真もひと手間。

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「いいね!ランキング」上位蔵に聞く〜泉橋酒造

「とんぼ」のメッセージがじんわり伝わり5位の『いづみ橋』

5位あたりまではほぼ定位置となっている「いいね!ランキング」。一気に増やして逆転、または反対に越されないよう、気にしているのかいないのか?

「実は気になっている」というのは泉橋酒造の専務、橋場由紀さんです。

でも、今のところはマイペースでいこうと思っているのだそうです。というのも、順位を追うよりも伝えたいことがはっきりしているから、ということのようです。

 神奈川県海老名市の地酒、『いづみ橋』さんは、とんぼのマークでお馴染みです。とんぼ、ヤゴ、最近は雪だるまの下にひっそり息づく卵も加わりました。

社名は「泉橋」銘柄は『いづみ橋』なのに、どうしてキャラクターは「とんぼ」なのか、ご存知でしたか?

Facebook(以下、FB)やホームページ(同、HP)をご覧の方はきっとご存知ですね。

青空を写しヤゴが泳ぎ回る夏の水田、波打つ黄金色の穂の上をとんぼが飛び回る秋の田んぼ、春を待つ卵が静かに眠る休息の田んぼ。そんな光景が見られるのは、田んぼに農薬が使われていないから。

「いづみ橋」のおいしいお酒はそんな田んぼで育てられた無農薬のお米だけから造られていることを「とんぼ」が語っているのでした。

酒造りがオフシーズンに入る春になると、苗作りや田植えなど、仲間が集まって半年ぶりの作業風景がアップされ、それから秋にかけて稲刈りなど、FBには、楽しそうな酒米作りの様子や田んぼの生きものたちが随時、報告されています。自分たちで米作りも行なっているのです。

みんなで米を作るようになったのは18年も前!のことなのだそうです 約80人でスタートし、今では200人以上に。きっと、毎年、楽しみにして集まって来られるのでしょうね。お迎えする側も食事の用意やら大変そうですが、それもまた、楽しい。

そして、酒造りの季節になると、酒蔵での仕事に関する話題が多く登場。1年を通してみると、お米から日本酒ができるという全容を知ることができます。

というのは、一歩引いて、泉橋酒造の作業風景を通して、「酒蔵というところが日々どんな仕事をしているのか知ってもらいたい」という視点を、伝える側が常に持っているせいかもしれません。

泉橋酒造独自のこと、酒造りの一般的なこと……、そう考えると、いろいろ目に入り、アップしたいことが多すぎて……。しつこくならない程度に、と、ぐっと自分で抑えているのだそうです。

また、添えるコメントも、それぞれ一言というわけではなくちゃんと説明されているのですが、ここで、もうひとつ心がけていることがあります。それは、「続きを読む……」をクリックしなくても読み切れる長さに留める、ということ。

「多くの人は、ぱっと見て理解して次へ行きたいものだと思うのでーー。でも、社長はブログも書いている影響で、長くなりがちなんですよね(笑)」

FBはご主人で社長の橋場友一さんと由紀さんのお二人でそれぞれアップしていますが、文章量も見分けるポイントのようです。

内容や時間がダブらないように、調整しながらやっているので、かち合ってしまった時には、どちらかがボツ、ということになってしまうそうです。

ところで、由紀さんが個人的にFBをはじめたのは2011年2月。同時にTwitterもはじめたのですが、その1ヶ月後に東日本大震災が起こり、期せずしてソーシャルメディアの利便性を実感することとなったそうです。

また、社長は、震災後に酒蔵、飲食店、酒販店、愛飲家をつないで義援金の協力を訴えて多くの賛同を得た「ファイト!日本、義援金プロジェクト」の事務局にもなっていて、そちらでもソーシャルメディアは、大活用されたそうです。(記事はこちら

HPも、18年も前に知人がいち早くHPデザインをやりはじめたことから、開設することとなった泉橋酒造さん。HPの存在自体が珍しくて、新聞で紹介されたほどだったという、長いHP歴です。ただし、更新は若干の手間がかかるため、もっと頻繁に気軽に更新したいと思っていたのだそう。FBの手軽さは待っていたメディアと言えるようです。

そして、FBをスタートした矢先に「いいね!日本酒。」からお声をかけさせていただき、ご参加いただいた。当初は順位が気になり見るのもためらわれたというランキングも、気がつけば上位の常連。今では、この位置をキープするかさらに上にいくか、と良い意味で刺激になっているそうです。

中央の“ヌケ”の良すぎる写真は泉橋酒造さんの蔵の周りの風景。よく見ると月も浮かんでいます。都心のすぐ近くと思えない、豊かな環境です。左は話題の雪だるまラベル。雪(由紀)の結晶もすてきです。右の写真は一昨年のものですが、あまり見ることのできない生酛作りの様子。

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「いいね!ランキング」上位蔵に聞く〜 中野BC

同年代の女性にもっと日本酒を!と16位の『長久』『紀伊国屋文左衛門』

 「おじいちゃんが『長久』をよく飲んでいたんです」と懐かしい思い出を話してくださったのは、中野BCさんで、インターネット関係を担当されている山中真梨奈さん。まだ20代前半という彼女に、いきなり脱線ですが、日本酒の印象を伺ってみました。

「正直言って、入社するまでは、日本酒って、年齢の高い男性のものと思っていました。学生時代のおいしくないお酒のイメージもありましたし。でも、地元企業として誇れる会社であり、それを広める手伝いができたら、と思いまして入社を希望。入社しておいしいお酒、おいしい飲み方を教えてもらい、女性にとってもおいしく飲めて楽しめるものだと、改めて感じています」

お友達は?と聞いたところ、「日本酒を理解する女友達はまだ少ない」とのこと。

若い女性の日本酒ファンが増えたと話題になったりもしますが、山中さんが話してくれたことが、実は、まだ大多数の声でしょう。ということは、その良さを知らない人がまだまだいる、まだまだ広がる可能性がある、ということですね。

さて、本題です。

ホームページにネットショップ、ブログにfacebookにTwitter……と、インターネット周辺で対応しなければならないことがどんどん増え、選任スタッフを置く酒蔵さんも増えてきました。

社員数約140人という中野BCさんで担当されている山中真梨奈さんも、その周辺をカバーするため昨年夏に入社。ご多忙な専務から引き継いで半年ほどになります。

1日1回の投稿を心がけ、「いいね!」の増加が集中している時間帯の前にはアップするようにしたり、インサイトも参考にして記事のアップを考えるといいます。

写真がきれいだなぁ、と思ったら、カメラは会社に常備している1眼レフ。加えて、学生時代(ワリとつい最近のこと^^)にフリーペーパーを作ったりしていたのだそう。写真加工ソフトのphotoshopも使いこなして、演出しているそうです。

「きれいな写真を心がけているのは、女性にもっと参加してほしいから。やはり、まだまだ周りには同年代で日本酒の良さに気づいていない人が多いんです」

梅酒で人気の蔵元さんですから、梅酒のファンとしてFBに参加した人たちにも、日本酒のおいしさを知ってほしいところですね。

蔵見学やイベントに来られたお客さんは本人の承諾を得られればなるべく載せたいということで、『月向BAR2012』で、梅酒の瓶を象った「イイね!」の手形プレートを作って持ってもらったところ、みなさん、楽しんで参加してくれたそうです。シェアしてくれた人もいたとか。掲載の承諾が取れない時には、人物を小さくしたり、顔をぼかしたりとの配慮は忘れないようにしています。

2月3日には『日本酒BAR 2013』がありますから、きっと日本酒版の「いいね!」プレートが登場する、のかな? ぜひ、「日本酒『いいね!』アルバム」を作ってもらって、シェアさせていただきたいです。

ところで、この「日本酒BAR2013」、最初に500円でお猪口付きの1杯めを買ってしまえば、後は用意されたどれを飲んでも1杯100円! 笑福亭由瓶氏の落語会はあるし、おつまみもあるし……、日本庭園を眺めながら、なんだか幸せな時間を過ごせそうで………行きたくなります………。

まだまだFBを活用しているのは若い年代が多いということを考えると、入門編的な情報をこまめに出していくことも日本酒ファンの裾野を広げることになります。

ただ、前述の通り日本酒はいわば初心者とのこと。今はいろんなことが新鮮で、好奇心のアンテナに次々と情報が飛び込み、間違えないようにと緊張感も持ってブログやFBの画面に向かっています。幸い、蔵のみなさんがいろんな質問に快く応えてくださるので、今はいろんなことを吸収するのが楽しい毎日だそうです。

「日本酒は昨日今日できた新しいものではないので、深い知識を持った方達も見ることになります。より正しい情報を発信するためにしっかり学んでおかないと……」

1本のメッセージを書くだけでも慎重に慎重を重ねてのことといいます。

山中さんは、ユーザーの方々に向けての発信に加え、社内にもFBの発信や共有を呼びかけています。

例えば、酒蔵見学にいらした方が抽選のプレゼントに当たってFBに喜びと感想のコメントを書き込んでくれたことがあり、さらにそれを社内で共有できたのだそうです。それもFBならではのこと、です。だから、

「お客様が積極的にコメントを寄せてくれるFBという場では、お客様と接する機会があまりとれない現場の人たちも、日頃、自分たちの造っているお酒がどのように受け止められているのか、どんな人たちが飲んでくれているのかを直接知ることができる場であると思っています」

そこで、見ることはできても、返事を返したいけれど投稿は苦手、という人たちのために、素材や意見を預かって、代わりに投稿することも積極的に行なっています。

さまざまな角度からFBを使い切っている、そんな風景が見えてきます。

さりげなく季節の便り。/手作りの「イイね!」プレートと笑顔がすてきです。/もろみが1週間で変化する様子を紹介。

 ところで、日本酒に加え、和歌山ということで梅酒等の果実酒で知られる中野BCさん。「BC」が気になっていたのですが、「Biochemical Creation」の略で生化学の創造を意味するとのこと。日本酒、梅酒、それらから派生する健康食品、化粧品など、幅広く作っていらっしゃいます。日本酒と梅酒の製造時期がちょうど反対なので、情報発信のテーマには困らないようです。

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「いいね!ランキング」上位蔵に聞く〜 天吹酒造

macヘヴィユーザーの社長自ら投稿!で11位の『天吹』

最近、何かと目が離せない九州の日本酒。それを引っ張っているのが佐賀県、と言って良いでしょう。

今回、お話を伺ったのは、そんな佐賀県から、一昨年(平成22年)のNHK紅白歌合戦「僕のふるさとニッポン」のコーナーで、嵐の大野智さんが酒造りを体験した蔵として一躍、若い女性にも知られるようなった天吹酒造さんです。300年の歴史を持ち、東京農大中田教授が開発した花酵母を早い時期から積極的に取り入れて、バラエティ豊かな酒造りをされていることでも知られています。

 「担当者 社長 木下武文」、……社長さま? ……旭日小綬章を叙勲された?

失礼ながら、最初、担当者欄にお名前を拝見した際には、特に名前の記載がない訳は何人かで担当されているので、社長が代表して、ということなのかと思いました。

ところが、お話を伺うと、「あの頃はmacしかなかったからね」、とおっしゃる、筋金入りのmacユーザー! eメールも一般化されて間もなくアドレスを取得したものの、「知りあいでメールやってる人が少なかったから、当時はあまりやり取りすることもなかったけど」と、まさにネット社会の創世記を歩まれて来た方なのでした。

今もfacebook(以下、FB)はもちろん、HPもTwitterもご担当されているのだそうです。

「FBは去年の9月11日から。今年のお年賀にも、『FBをはじめましたので、“いいね!”をお願いします』って書いたんですよ。叙勲や鑑評会で金賞をもらった時のコメントに『いいね!』をたくさんいただいた時は嬉しかったですね」

積極的に活用されています。

Twitterは、そのずっと以前からはじめられていて、FBを知って、Twitterより良さそうだと平行してFBをはじめられたのだそうです。

そんなに多くを担当されていて、FBの更新も苦にならないんですね?と伺うと、

「今思うと、中学の頃、日記を書いていたんよ。だからその感覚で。だけど、こちらは、くどくならないようにということには気をつけて、さらっと読んでもらえるにはどうしたらいいかな、と考えながら書いてますよ」

HPのコラムも書かれているので、その書き分けも伺いました。

「HPはじっくり読んでもらえるので、ちゃんと説明して書ける。FBは、例えば同じことを書くとしてもポイントを絞って2〜3回に分けてアップするように書きますね」

読者の負担にならないように1回の投稿のウェイトを軽くする、という気遣いがあります。それが何度も訪れてもらえる秘訣。そして、それぞれの投稿には必ず、発見や気づきや面白さが入っているように、と気を配る。さらっと読んでもらうためには、さらっと書くわけにはいかないんですね。

そんな投稿を、少なくとも週に3回はアップしたい、とおっしゃいます。そのためには、気づいた時に、時間がある時に、何回分かを書き貯めて、ストックしておくのだそうです。そして、アップする日のトピックなどを少し取り入れたりしてアップします。

「毎日考えるのはたいへん。自分が苦痛になってはしょうがないからね」

社長業務のお忙しい中でこまめにアップできるのも、そういった陰の工夫がありました。ブログでもFBでも、あまり間をあけないことが読者とのコミュニケーションを続けるためには大切です。

国内でのイベントや海外営業があった際、社長が不在の際に特徴のあるお客様が見えた時には、それぞれの担当者に書いてもらいますが、それ以外はご自分で書き、スケジュール管理もされています。しかも、社員の方の原稿は必ずチェックし、時には手直ししたりして、アップするのは社長ご自身です。

「いろんな人が見てくださるものですから。そして、酒造りの状況、飲み方の提案、など、すべて『お知らせ』として書くようにしているんです」

とはいえ、酒造り以外の季節、夏場は“ネタに困る”……。どこのお蔵さんも同じ悩みをお持ちです。

「だから、何をするにもネタ探し(笑)。花がきれいだな、と思ったら、『あ、これを上げよう』とかね。そのためにも、何事にも関心を持ち、好奇心を持ち続けることが大切です」

また、名刺や年賀状に「facebookはじめました」と入れたり、TwitterにもFBのアドレスを入れたり。また、直接、蔵で買ってくださったお客さんにはお礼のメールを送るのだそうです。ところが、社長と名乗らずに送ることがほとんど。

何気なく受け取ったメール、社長さんからかもしれません。

もちろん、そういった努力は会社の宣伝のためです。しかし、最終的な目的はそれだけでない。一番大切なことは、日本酒の良さを多くの人に気づいてもらうこと。

「どうやったら、日本酒に興味を持ってもらえるか、そのための情報を出さんといけない」

あれも言いたい、これも言いたい、でも書きすぎては読む方が食傷しないように、淡々と酒と酒蔵の魅力を伝え続けていく。それが日本酒全体の人気につながるFBの役目と考えておられるのでした。

文章同様、写真も伝えたいことにフォーカスして。1シーンを載せるためには最低10カットは撮るそうで、以前はデジカメ携帯、今はiPhoneで。左の収録風景は「このまちであなたと」。1月9日水曜日22時54分からSTSサガテレビで放映予定。

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「いいね!ランキング」上位蔵に聞く〜酒井酒造

 着実に「いいね!」を積み重ね18位の『五橋』

「男は度胸、お酒は五橋」でお馴染みの、山口県は『五橋』酒井酒造さん。“山口県の地酒”として、県産の米、水、人、にこだわった酒造りをされ、軟水の柔らかな口当たりで人気です。

ご登場いただいたのは、業務部課長の大下勝己さん。「いいね!日本酒。」では、初期の頃に、ビデオレターにご協力いただきました。

大下さんは、去年の春、マーケティングのセミナーに参加。その内容がほとんどfacebook(以下、FB)を勧めるような内容という印象を持ち、「facebookはやらねばソン、絶大な効果あり」と、“軽いマインドコントロール”を受けた(笑)状態に。早速、本を買い、読み込んで、まずは個人ページを実験的に始めたといいます。そこでは、とっても自由に……会社以上に自由に書かれていますが、個人ページから人とのつながりの手応えを感じ、7月13日に、会社のFBをスタートさせたそうです。

以前からホームページもご担当されていて、また、他にFBをやっている人がいなかったこともあり、必然的に担当に。仕事の空き時間、休憩時間などを使って書き込んでいるので、なかなか更新できないときもありますが、焦らず取り組んでいらっしゃるそうです。

そんな中でも、今年の1月15日に行なわれた、銀座Sake Hallでの『SAKE日和♪五橋の会』(あおい有紀さんプロデュース&司会)に、FBで知り合った、まだ面識のない方々が5〜6人、FBでの告知を見て来てくださったとのこと。嬉しかったご様子でした。

また、10月1日のお酒の日にめがけて10日前からカウントダウンを行なった時には、「毎日、たいへんですね」とねぎらっていただいたとか。それというのも、事前に10日分を作り、公開日設定をしたものですが、一度に作ったとは思えない、盛り上げ方だったからでしょうか。

もちろん、美しい誤解は敢えて訂正せず、そのままにしておいて……。

先に始めていた個人のFBでも、自然と会社のことを取り上げることは多く、個人ブログで知り合った方が、会社のブログにもつながってくれたり、イベントに足を運んでくれたり。また、イベントの際に、お酒を買いつつ、大下さんに会いに来てくれたりもするそうで、ネット上だけのつながりが現実となってより強くなり、広がっていく手応えが感じられていらっしゃるようでした。

大下さんと一緒にFBを更新されているのは、41歳と同年代?の大津杜氏、仲間史彦さん。

現状では特に明記していないので、全て大下さんが書いていると思っていらっしゃる方もおられるようですが、大まかに言って酒造りの進行状況など造りに関して触れているのが杜氏さん、イベントや商品の案内が大下さん。近々の更新から、それぞれ名前を記していく予定とのことです。

さて、肝心の「いいね!」獲得数ですが、冒頭でご紹介したビデオレターでかなり増えたそう。でも、焦らず、着実にお客様が増えるように「いいね!」が増えてくれれば良い、という考えです。

個人のFBでは、リアルな人間関係があるため、何かをアップすると反応も早いもの。

会社のFBでも、お客様ではあるけれども、『五橋』のお酒が好きで参加されている方達と、顔の見えるような関係性を築いていきたい、ということのようです。現状でもコメントの多いページだと思いますが、さらに、素早い反応で大下さんを追い込むと、更新回数も増えていくかもしれません(笑)。

さて、これからのことをお訪ねすると。

「今、考えているのは、FBページのカスタマイズ。たまたま買った本で提案していたのですが、大手企業のサイトなどを見て、“その3歩くらい後”には近づきたいと思って」

実際にかっこ良く見え、また、他と違う物を作ってみたいという性格がちらっと顔をだしたようで、ただいま勉強中、研究中。

実は、一度作ったのですが、FB自体のシステムが変更され、全て消えてしまったのだそうです……。

そして、もうひとつ。

「『五橋』のお酒の人気投票をやってみたいんですよ。『GKO48総選挙』。既に用意されている投票システムを利用できるのですが、今の、“いいね!”の数では、あまり意味がないかな、と」、とのこと。

でも、伝々、そこで引きませんでした。そして、確約をいただきました。

発表させていただきます。

来年、2013年5月9日「五橋の日」に、第1回『GKO48総選挙』開催決定!

「五橋」のラインナップから48種を選び、人気投票を行なうのです。それまでに、みなさん、「いいね!」を押して、投票権を手に入れ、来る日に備えてくださいね(あら?「いいね!」が増える???)。

ご存知の通り、『五橋』の大下さまは、コメントが楽しいので、コメント込みで載せさせていただきました。拡大してご覧下さい。

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「いいね!ランキング」上位蔵に聞く〜 あさ開

「上位のお蔵さん3軒くらいからご協力をいただいて、人気の秘訣を探っちゃおう」とはじめたこのシリーズ。予想以上に好評とのことで、ロングラン決定!です。

ほぼ日発信、お客様目線の情報を伝えて12位

「いいね!日本酒。」には、3ヶ月ほど前にご参加いただきました「あさ開」さん。ちょうどその直前の7月、立ち上げた前任の佐々木さんから引き継いで、楽しそうに更新されている様子が見えるような本社営業部・営業企画課・森有希さんにお話を伺いました。

実は、入社するまで、お酒は好きでも日本酒は飲んだことがなかったという森さん。東京で学生時代を過ごし、働いた後、盛岡に戻り、そうして出会ったのが地元密着企業、日本酒の酒蔵あさ開さんだったのだそうです。

余談ですが、業界関係者の方とお話をすると、意外に多いのです、「入社するまでは日本酒はあんまり……」という方。他の部分で魅力を感じて入社されるようですが、結局、みなさん、「でも、今は大好きです!」。魔力は魅力より強し、でしょうか。

もちろん、森さんも「すっかりその魅力にハマってしまった!」お一人です。

入社当初から前職であるweb製作の経験を生かしたネットショップを担当。facebook(以下、FB)担当者と入れ替わるように、現在のお仕事に就かれたとのこと。FBには、前任の方を含め、数人が関わっていて、その中には村井社長も。とはいえ、ほとんどの部分を森さんが担当されています。

読者の方のコメントも多く、そのお返事も短くないようなので、大変では?と伺うと、

「コメントを読ませていただくのが楽しいし、嬉しいですから、返事もつい書き込んでしまうんです」

とのこと。それというのも、ネットショップ時代には、メールでのやり取りも多いため、書くことは苦にならず、それよりも直に接するコミュニケーションが楽しいようです。

そのよい例が、ひと手間かけた写真。最近のものには吹き出しまでついていていました!

「盛岡の人は素朴であったかいんですが、それ故にシャイで、カメラを向けてもこっちを向いてくれないんですよ。後ろ姿では寂しいので……。写真に手を加えることは、かつての仕事経験から、面倒というよりは好きでやってることで、今あるソフトを使ってできる範囲で工夫しています」

FBを担当してからは、ネタ探し=取材のために様々なところを見て歩く必要があります。冒頭にあるように、入社までは日本酒知らず、入ってからはどっぷり?な日々。これまで、なかなか酒造りの現場をちゃんと見る機会はなかったこともあり、日々、発見の連続だそうです。

その目線で、ユニークなクイズなんかも出されています。

「日本酒についてはまだまだ勉強中。社員でもありますが、日本酒の一ファンとしての目線でいろんな発見を伝えていきたいと思っているんです」

それと同時に、Uターンしてきた人間だからこそ見える、盛岡の町や人の魅力も伝えていきたいとのこと。町あっての酒蔵ですから。

最近で印象強かったことは?

「杜氏がね、目が合ったとたん、『今年のできがいいんだよ。この5~6年のなかで一番の出来だよ!』と、嬉しそうにおっしゃったんですよ。こちらから伺う前に。私も嬉しくなって、杜氏のその気持ちを伝えたい!と思いますよね!」

思います、思います。

そして、これからは、読者の方とのコミュニケーションを形にしてみたいと話します。それは、

「FB上で意見を集めて、そこから新しいお酒を作り出してみたいと思ってるんです。ネットショップでは、お客さんのアンケートから、何種類かのパッケージを作ったりしています。近所の酒屋のご用聞き、という感覚でずっとやってきているんです。FBでも気持ちは同じなので、それをさらに一歩進めて、お酒を本体を、と。作り手は消費者の方と接する機会が少ないですし、消費者の方の意見を作り手に届ける機会も少ないですから、そこをつないでいけたら、と。まだまだ遠い夢ですけど。」

FBから生まれたお酒、飲んでみたいですね。ネーミングも勝手にいろいろ考えちゃいます。

そんなアットホームさが、FBに訪れた人を引き込んで、ぽちっと「いいね!」したくなるのかもしれませんね。

シャイな社員にはフキだしでフォロー(左)。 搾りの初日には多くのメディアも取材に訪れた。嬉しそうな藤尾杜氏。

最後になりましたが、「昨年の震災以降、みなさんの励ましやご支援に勇気づけられ、とても感謝しています」、とのことでした。内陸側のあさ開さん自体も多くの支援をされていることを付記させていただきます。

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「いいね!ランキング」上位蔵に聞く〜 天山酒造

中盤どころの旗手、現在5位の「天山」

ここへ来て、またご参加頂くお蔵さんが続き、現在、68蔵のご参加を頂いています。
ありがとうございます。

今回の天山酒造さんは、5位。「天山」「七田」「岩の蔵」という、3つの銘柄を中心にマルチブランドで展開されています。

お話を伺ったのは、facebook(以下、FB)を担当されている営業部の松尾亮さん。年に2回の蔵開きを週末に控えた先週の中ころ。大忙しのところでの電話インタビューでした。

話題の蔵開きに行かれた方も多いかと思います。
本題に入る前に、蔵開きのことを少し伺いましたので、まずはその話しから。

「ウチの蔵開きは、春、3月と、秋の9月に行なっています。春は蔵開き限定の春の新酒や地元の物産を売って、近所の飲食店さんの屋台コーナー、ゲームコーナーなど、『新酒祭り』のように賑やかに行ないます。

秋は逆に、お客さんにゆっくり過ごしてもらおうと、イベントスペースになっているレンガ蔵でミニコンサートを開いたり。

中でも一番の目玉は、『KENSUKY’s SAKE BAR』での飲み比べです。3種類のセットがワンコイン、500円で試すことができるんです。今回は、例年の3銘柄ごとのセットに加え、全国新酒鑑評会受賞酒(斗瓶取り)のBY(酒造年度)違いも杜氏に分けていただいて、同料金で用意したんです。そういったニュースも随時、FBで出しています」

取材の翌日にアップすべく準備中とのことでした。
スピード感ある配信と、写真に工夫。その後を見ていたら、なんと天山さん、列車やシャトルバスの時刻表もFBで提示するという、来場者の手間をよくご存知で、至れり尽くせりのケア。FBを活用されています。時刻表はともかく、いずれの写真もインパクト強し、です。

「社長から、写真には気を使って、といつも言われているんです。お客様に雰囲気、臨場感が伝わるように、と、見せ方とか意見もいただきます。写真は私が撮ったり、上司の係長が撮ったりした物などから選んで出しています」

特に好評だったのが、ゆず酒の紹介をした日。上司、渾身の写真がとても評判がよく、あっという間に「いいね!」が積み重なっていったそうです。

松尾さんは、ホームページの担当もされているということで、やはり連動させて相互に見ていただこうとしているようです。

「平成15年から『人、米、酒(じんまいしゅ)プロジェクト』を行なっていますが、その苗や稲など記録もずっと撮っていますので、予告や比較など、FB上で随時紹介できるんです。みなさん、FBは常にチェックされていますから、撮ったら早めに公開するようにしています」
重要なプロジェクトの貴重な記録の役割も果たされているようです。

FBもこまめですが、ホームページの情報欄もかなりこまめな更新をされています。

「『知ったのが遅くて残念』という声を聞くこともあり、少しでも早くお知らせした方がいいということがやっていてわかったので、決まったら、分かったらすぐに出すように努力しています。旬な情報を提供することが大切なんだなぁ、と」

面白いお話も伺いました。
ダイレクトにコメントできるFBは、今や会社の窓口的な存在になっています。

「社長が個人でFBをされているので、会社の方も社長が書かれているのかと思っていらっしゃるのか、社長に向けたようなメッセージを残される方がたまにいらっしゃるので、返事の仕方に工夫が必要なこともあるんです(笑)」

FBでイベントなどをお知らせすると、1分もしないうちに「いいね!」が押されることが多いと話す松尾さん。
「待ってくれてるんだ、と嬉しいと共に身の引き締まる思いがしますね」
何しろ社を代表しての報告、発言となるわけで、緊張する部分もあるそうです。

そして、個人的にもFBをされている松尾さんは、公私を超えた経験も。

「個人のFBで知り合ったお酒仲間との話しが発展して、天山のお酒の会を開いたんです。これはFBをしてなかったら、なかったことでしたね。また、同時にFBで新たなファンを獲得できた、ということでもあります。そういうことがありますので、これからもFBのファンを増やしていきたいですね」

「ホームページよりもFBで情報を得る人の方が多くなってきているのでは?」と話す松尾さん。それだけに重要な立場であり、これからは動画も自分でやってみたい、もっと可能性を追求してフル活用していきたいとおっしゃいます。

ウワサのゆず酒写真(左)。こちらもウワサの「KENSUKY’S SAKE BAR」

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「いいね!ランキング」上位蔵に聞く〜 尾畑酒造

接戦エリアから『真野鶴』『与三作』で人気の7位、尾畑酒造さん

いいね!=ファン数ランキングの6〜12位は、カウントが400前後から500前後と、いつ入れ替わってもおかしくない状況。その中から7位、『真野鶴』『与三作』でお馴染みの尾畑酒造さんです。5代目蔵元、尾畑留美子さんにお話を伺いました。

ちなみに、偶然にも最近、伝々の周囲では、「佐渡の蔵を訪ねた」という声が立て続けに聞こえてきて、佐渡のお酒が注目されているようで、とても気になっていました。中でも尾畑留美子さんの「五代目留美子の蔵元日記」は、数ある飲食ブログで50位台に入る人気のブログです。

昨年、2011年2月20日から個人のfacebook(以下、FB)ページを始めた尾畑さん。その矢先に、東日本大震災が発生し、災害時にはソーシャルメディアがつながりやすいということが証明されました。ふと自社の通信環境を思い返したとき、ホームページはあるものの、それでは情報の行き来には充分ではない、より確かなものにしておく必要がある、と、感じたといいます。佐渡島、という離れた場所にあることもそう思わせる大きな要因でした。すぐに行動し、2日後の13日には会社のFBをスタートさせていました。

会社のホームページに部分的に関わり、そこに属するブログ「五代目留美子の蔵元日記」はもちろん全面的に担当、FBは会社ページと個人ページを管理し、負担にならない程度にTwitterにも情報を上げています。

幅広く担当する中で軸になっているのは、2007年11月から続けている『五代目留美子の蔵元日記』です。文章量も写真数も自由で、思いの丈を書き込めます。1回に書き込む量もアップする頻度も多くなっています。ただし、ブログも震災を機に引っ越し。いかに震災が尾畑さんに衝撃を与えたか、伺い知ることができます。

2本立てのFBですが、会社FBの方の内容は、より詳細な内容をブログ『蔵元日記』で紹介して連動する、という機能が主体になっているようです。加えて、その時々にイベント紹介やメディア掲載の紹介など、短い文章でも伝えられること。もうちょっと参加者が増えたら、FB内で記念のプレゼントキャンペーンやFB限定イベントを開催してみるのも楽しそう、といろいろ考えて楽しんでいらっしゃるようです。

一方、個人のFBでは、ご自分の写っている写真もアップし、親しい友人の方々とのやり取りを楽しんでいます。とはいえ、幅広いジャンルの交友関係から集まる友人たちであり、誰でも見られる公的な場所でもあるので、今の自分、つまり蔵元としての活動を伝えることが中心となっているようです。オープンということは、お酒のファンの方も来てくださることが少なくないという現実から、そんな人にも有益であれば、そして、その方達が個人のFBを経由して会社のFBの常連さんになってくれたら嬉しい、と言います。

会社のFBでファン数を増やすためにしていることを何か、と訪ねると、大きなことではないけれど強いて挙げれば、と話してくださいました。それが、これら複数のサイトを関連づけること、なのです。

「会社のFBでは、より詳細な内容を豊富な写真と共に掲載しているブログに飛んで見てもらえるような紹介の仕方を心がけています。FBはブログの内容を端的に伝える役割としても便利。そこからブログに飛んでもらいたいのですから、ポイントは押さえて、でも書きすぎてFBで完結しないよう。意外に難しいんです。

一方、個人FBでは、面識のない日本酒ファンの方が蔵元ということでメッセージを添えて申請して下さることも多々あります。なので、自分のページを訪ねて来てくださった方が、会社FBや商品にも興味を持って下さるよう、内容にも気を使います。

そして、全てを通して根底に流れるもの。それは読む人に気持ち良く読んで頂くこと。例えば表現方法も堅苦しくないように、けれども馴れ馴れしくなく、言葉遣いもきちんと。ブログもフェイスブックも実際その人に会っていないのに、言葉や写真を通してイメージが出来あがってしまいます。

特に短い文章というのは、自分が思うよりも書き手の「素」が出てしまうもの。さらに書き方によっては誤解を招いてしまうこともありますので、選ぶ言葉も慎重に。個人としてのFB、会社のFB共に、せっかくご縁でつながった皆様ですから、何か掲載する時にはその都度心の中で『こんにちは!』とまずご挨拶(笑)。そして蔵ならではの情報も盛り込みながら遠く離れた方々とも情報交換をしていければと思います」

映画会社で宣伝を担当されていただけに、情報の伝え方、伝わり方の大切さ、そして危険性をよくご存知だからでしょうか。でも、それだけに気配りは万全と思われます。

そして、次の課題は「写真」、と言います。
「私だって写真のすてきなページは見たくなりますから」
最近、新しいカメラを買ったのだと嬉しそうに話す尾畑さんでした。

これから尾畑酒造さんのFBが、どんな風に展開していくのか、楽しみですね。

海外普及にも熱心な尾畑留美子さん。オーストラリアでのプロモーションより(左)。工藤賢也杜氏ほか、蔵人たちも若い。

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