台風一過。酒米は? 雄町は…?

この度の台風により、被害に遭われた方々には、慎んでお見舞い申し上げます。

この時期に台風というと、やはりお米が気になります。台風11号の時には、ちょうど山田錦の兵庫県や雄町の岡山県を通過して北上。倒伏は免れたようですが、今回は日本の南側に上陸。九州から関東まで辿るようにして進んでいきました。

今月下旬の刈り取り予定と言っていた雄町は、きっとだいぶ穂が重くなっているはず、と思い、現地にお問い合せしていましたら、もう次の19号が。13日には九州上陸が予想されていて、安心はできません。

台風19号も気になりますし、ついこの間、「雄町便り」をお届けしたばかりですが、上記のようにげんきいっぱい。心配されている方もいらっしゃるかと思いますので、無事をお伝えします。

「台風18号の影響もあまりなく、ほっとしていますが、
雨の影響で少し倒伏している圃場も見えますけど、まぁ~一安心というところです。
台風一過の晴天に恵まれて順調に生育しているように見えますが、
ここへきて少し朝夕の気温が低くなり、収穫時期が少し遅れ気味になるかもしれません。
今年は、8月中旬から草丈がかなり伸びてしまい、倒伏の心配が絶えません。
台風19号も日本列島へ接近中ということで危惧しています。
先日、赤坂管内で今年初の赤磐雄町米の収穫を行い、すでに少量ですが出荷されています。
初検査を今月の15日に予定していますが、朝夕の冷え込み、また、台風19号の影響で
検査数量は少ないかもしれません。収量的には、まだ全体は不明ですが、ほぼ平年並みの
収穫量ではないかと思われます。今後の気象状況により左右されますが、まずは一安心。
                                JA岡山東 藤原」


「Int’l Sake Day」はつづく……

Hey! It’s hump day …
And Americans are drinking twice as much #sake as 10 years ago …
And w00t?! Today is INTERNATIONAL SAKE DAY …
So kampai, people! Here’s a toast to our favorite brew (kampai!) and another to many, many more International Sake Days to come!
(「Joy of Sake」Facebookより →訳は末尾に)

「日本酒の日」は48時間!

「日本酒の日」、どんなところで過ごされましたか。

「まだ、言ってるの?」と言われるかもしれませんが、過日、「10月1日は日本酒の世界の旧正月」と書いたところ、「それなら3ヶ日、祝える」とつぶやいた方も……。

そうでなくても、まだ続いているのです。
どこで?……
ーー世界で。

谷川俊太郎さんの名詩「朝のリレー」のように、「日本酒の日」も東アジア、東南アジア、ヨーロッパ、アメリカ、太平洋の島と、順に訪れて、「カンパーイ!」してくれていたらいいなぁ。

実は、昨日、少しググってみたのです。そしたら、10月1日に前後して、老舗日本酒専門店、サンフランシスコの「TRUE SAKE」さんや、NYの「JOTO SAKE」さんほか、日本酒販売店、日本料理店、日本酒を置いているレストラン、いろんなところで、「日本酒の日」関連のイベントがありました。もちろん、最強の応援者・リッチー・ホウティンさんも”Happy Nihonshu no Hi!!”と。

「International Sake Day」
「World Sake Day」
「Sake Day」…………呼び方はいろいろあるようですが、

ほぼ終盤の「Kampai!」となりそうなハワイとの時差は19時間(サマータイムなし)。
東の方角を向いて、もう一度「Kampai!」、してみませんか?

冒頭の写真は、Tシャツからもわかるように、「Joy of Sake」のスタッフさんです。
最後に昨年の「Joy of Sake Tokyo」から「Kampai!」シーンを。

その日は、水曜日だよ。 アメリカ人は、10年前の2倍は日本酒を飲んでるんだよ。
そして、イエーイ?! 今日は「日本酒の日」だ。
だから、カンパイ。お気に入りのお酒に、日本酒の日がもっともっと訪れるように、カンパイ!
                      (「Joy of Sake」Facebookより)

 


「日本酒の日」日本酒でカンパーイ!

10月1日は「日本酒の日」

日本酒の世界では元旦が3回ある、といってもいいかもしれません。新暦の1月1日、年度始めの7月1日、そして10月1日。中でも最も重要なのが10月1日「日本酒の日」。

現在、税法上の年度始めは7月1日、ですが、かつては酒造りの始まる10月1日が年度始めで「醸造元旦」としてお祝いする習慣がありましたから、いわゆる旧正月ですね。実際の年度が変わって「元旦」ではなくなっても、親しまれてきたこの日、そして、多くの酒蔵が酒造りに入るこの日は「日本酒の日」として、続いていきます。

日本酒の日について>(日本酒造組合中央会)

10月1日は、お店で、お家で、「乾杯!」の声がきこえるはず。協力飲食店では、日付の変わる深夜からお祝いの乾杯が。下記でチェック!
https://www.facebook.com/events/329599530552167/

 

 

 

 


「日本酒のためなら」vol.3 平出淑恵さんのアンケートをスタート!

日本酒コンサルタント平出淑恵さん

ご協力いただいております伝々の暴走企画「日本酒のためなら」。

第1回の山同敦子さんのインタビュー、たくさんの方に読んでいただけたようで、喜んでおりますが、いかがでしたか?

第2回に予定しております福山亜弥さんのアンケートへも、たくさんのコメントと共にご回答いただいております。もう、ご回答はお済みですか?

福山亜弥さんからの質問は

「日本酒といえば和食が鉄板ですが、
あなたが合わせてみたいお料理は?」

質問と回答はこちら → http://bit.ly/GVJwDH

〆切を1月30日18:00とさせていただきますので、まだの方はぜひ1票を!

第3回は、酒サムライコーディネーターの平出淑恵さんです。

そして、第3回は、日本酒コンサルタント他、日本酒を海外に広める様々な立場で仕事をされている平出淑恵さんにご登場いただく予定です。

日本酒を海外に広めたいと10年以上前から活動されている平出さんは、酒サムライコーディネーターに加え、日本酒が海外から注目を集めることが多くなっている昨今、酒蔵ツーリズム(R)や日本酒に関わる教育機関の新設に際してのコンサルタント、アドバイザーなど、本当に多岐に渡りご活躍されています。

和食の世界無形文化遺産登録や2020年のオリンピック東京開催も決まり、日本の食文化として日本酒が海外から注目されることも必至。平出さんが必要とされる場もさらに増えていきますね。

今回は、そんな平出さんらしい質問です。

「来日した外国の人に日本酒について
一番知っておいてほしいと思うことはなんですか?」

質問と回答はこちら → http://bit.ly/1hD1vf5

昨日、facebook上でアンケートがスタートしました。
平出さんの今後の活動に生かされるかもしれません。たくさんのご回答をお待ちしています。

平出さん、
快く受けてくださり、さらにお忙しい最中、ご協力いただきありがとうございます。
結果が楽しみですね。

 


ママを笑顔に!「蔵ママ」のお酒で楽しく家飲み

総合プロデューサーの日本財団・高島友和さん(左)と、お酒を担当した『真野鶴』尾畑酒造の尾畑留美子専務

クリスマス、忘年会などで外飲みが続き、お友達と賑やかに過ごした人も、これから年末、お正月と、家族でゆったりと過ごす時間になるのではないでしょうか。親きょうだいや親戚と共に、お家でお酒をいただく時間が増えるかもしれませんね。

食卓に置いてママも一緒に楽しめるお酒を造ろう!

かつて、家庭でお酒をいただくのは男性だけでした。

現代では女性も入りやすい居酒屋さんや日本酒を置く洋食のお店など、女性にも若者にも日本酒が広まり、様々な人においしいお酒をいただく機会が増えました。

20代の人に話を聞くと、日本酒に対して悪い印象もない代わり、特別良い印象もないという答えが返ってくることがあります。お父さんは外で飲み、大学のコンパでも日本酒はない。日常の風景に日本酒はなく、お正月にお屠蘇をいただいたり、結婚式で出されたりという特別な時に飲むだけだから、ということのようです。

その背景には、母親世代が日本酒に良い思い出がなく、家で飲む事を嫌ったこともあるようです。そうした環境で育った若い世代にとって、ある意味、日本酒は新しいお酒と言えるのかもしれません。

最近では、麹や発酵食品の良さも知られ、また、日本酒が美容にもいいと言われ、なにより女性や若い世代にとってもおいしいお酒が増えたので、違和感なく飲めるものになりました。お母さんだって、お子さんが小さい頃は我慢していただくとして、ある程度子どもが大きくなったら、またお酒を飲んでリラックスしたくなる。でも、子どもを置いて気軽に外食できる状況ではない。となれば、夕食の食卓に添えたいものですね。

お酒造りに関わる蔵の女将も、小さな子どもがいると状況は同じです。

そんな日本酒造りに関わる「くらまま」が造ったお酒で全国のママを笑顔にしようと、この春からスタートしたのが、「くらままプロジェクト」です。そして、ご自身も二人のお子さんを持つ「くらまま」である佐渡の『真野鶴』尾畑酒造・専務、尾畑留美子さん(冒頭の写真、右)にご協力いただきました。

女性に飲んでもらって元気になってほしいから、「家庭の食卓に置いてみたくなる、女性も手を伸ばしやすいボトルや味のお酒を造ろう」

そして12月始めに、ついに発売されました。
もう飲まれた方もいらっしゃるかもしれませんね。

「蔵ママ・飲み比べセット」300ml×3本入り 1,900円(税抜)

開発のアイディアを提供してくれたのが、一般の人たちが意見を出し合って新しい商品を形作っていく、ニフティの「うまいもんプロデューサー」チーム。同サイトの中でも、今までにないほどたくさんの意見が寄せられたそうです。

ラベルは、上記「うまいもんプロデューサー」へのアンケートを参考にして、このブログの運営にも関わっている高桑美術印刷が担当しました。

そして、お酒は、前述の尾畑酒造さん。

それらを取りまとめて総合プロデューサーとして形にしていったのは、「ママを笑顔にする」ための「ママ基金」を設置して活動している日本財団の高島友和さん。売り上げの一部が「ママ基金」に寄付されます。

ママが元気だと、家庭も明るい。忙しいママがほっと一息つける時間を「くらまま」から全国のママの食卓に。そんな思いで結集したチームが造り出したお酒が「蔵ママ・飲み比べセット」です。

初心者でも味の違いが分かりやすい、飲みきりサイズの3種類をご用意しました。
お正月に味わってみませんか?

くらままプロジェクト」 http://mamapro.jp/kuramama/
うまいもんプロデューサー」 https://umaimon-p.nifty.com/project/summary/9
尾畑酒造」 http://www.obata-shuzo.com/shop/item.asp?id=202

 


「日本酒のためなら」—山同敦子さん 「ワインは恋人、本格焼酎は仲間、日本酒は連れ合い」

『極上の酒を生む土と人 大地を醸す』(講談社)『愛と情熱の日本酒』(ダイヤモンド社、ちくま文庫)などでおなじみの山同敦子さん。

いよいよスタート

“approved!” 「承認!」。
12月4日(水)深夜23:56、(現地18:56)和食が世界文化遺産に登録されて、和食と共に日本酒も、ますます、注目を浴びそうです。

たいへんお待たせしました。ミニ・シリーズ、「日本酒のためなら」。

ちょっと前までは女性がお酒なんてという時代もありました。しかし今では、女性が「こんなに素晴らしい日本酒なんだから、もっと広く知ってもらいたい」……、そんな思いひとつで、執筆、セミナー、講演会、コーディネイト、鑑評会など、東奔西走して活躍しています。そんな方たちをご紹介すると共に、その方が日頃聞いてみたいと思っている事を代わって問いかける。そこから見えてくるものは、日本酒の未来?

第1回にご登場いただくのは、日本酒ノンフィクション作家の山同敦子さん。
山同さんからの、「貴方が抱く『日本酒のイメージ』は?」、という質問に、たくさんの方にご回答をいただきました。
最終結果は以下の通りです。ご協力、ありがとうございました。
どんなご感想をお持ちですか。

この質問が出て来た背景を伺うと、
「日本酒人気と言いつつ、日本酒が好きな人とそうでない人との間がどんどん開いてしまっている気がしているのです。好きな人は『磨きは? 酵母は?』から、さらにマニアックな世界に入って、蔵見学にも通ってどんどんはまり込んでいく。

けれど、そうでもない人は、未だに『オヤジが酔っぱらうための酒だ』と思っている。『アルコールがつんとするでしょ』とか、『おいしいお酒はすっごく高いんでしょ』と初期の大吟醸ブームの記憶のまま、『熱燗で飲むんでしょ』とか遠い昔の記憶のまま。

その後、焼酎ブームがあり、ワインの人気が上がり、そこで日本酒から離れた人は、現代の日本酒がこんなにレベルが上がっていることに全く気づいていない、興味も持っていないのではないか、それはなぜなんだろうと。それが知りたかったんです」

申し訳ないことに、一つしか答えることができないので、嫌いな部分を答えていただく余裕はなくて、さすが「いいね!日本酒。」にご参加されている方の「実際に飲んでいる日本酒の良いところ、好きなところランキング」になっています。

「ブームの頃のワインもーー例えばブルゴーニュの良いものなどはすごく高いんだけどーそういうお酒ばかりだった。フランスのラングドックとか大量に造られて、それなりにおいしくて手頃な価格のものもあったのに、日本には入って来なかった。ところが10年ほど前からはそういうワインもたくさん入っているので、ワインの方が身近なお酒になってしまっている。日本酒を見直すきっかけがなかった。

でも、最近、日本酒の若い造り手が増えて来たことはいいきっかけになっていますね。造りもするし、試飲会にも出てくるので、飲み手が『自分と同世代』だと親近感が湧いている。

そして、何よりお酒のレベルが上がったことが最も大きな要因だとは思います。しかもワインなどと比べて安い。ワインのフルサイズボトルは安いといってもおいしく飲めるのは1000円台〜。日本酒で1000円台なら純米吟醸の4合瓶が買える。なのに、知らない人はまだ日本酒が高いと思っている。お酒の会も、近年は女性がすっごく増えているのに、昔のように男性ばかりで行きにくいと思われている」

確かに、それぞれの会の個性もありますが、若い女性も増えて来ましたし、女性ばっかり!ということもありますね。

「それに、昔は名酒居酒屋や郷土料理の店などでなければおいしい地酒がなかったけれど、今ではフツウの居酒屋さんでもおいしい地酒を置いている。若い料理人兼オーナーのお店が増えていて、彼らが自分の料理に合うおいしい日本酒を選んで置くようになって。しかも完全な和食というより、オリジナルの洋風なアレンジもあったり、居酒屋自体も変わって来ているから、気がついている人は、日本酒もおいしいものだと分かって来た。和洋中がミックスしている自宅でも構えずに飲める。

それが、このアンケートの結果にも現れている、と思いますね。『いろんな料理と楽しめる』というポイントが最も多いのは嬉しいですね。みんな、料理と楽しんでるんだ、と思いました。日本酒は種類や銘柄を選べば、いろんな料理に合うし、カジュアルで身近なものとして楽しんでどんどんハマってる」

質が高いのにカジュアルに飲めるのが日本酒のいいところ、なんですが、

「日本酒は珍味が必須と思っている人も、まだほんとに多いんですけどね」という。

そうは言ってもワインのおかげ?

そろそろ山同さんご自身について、と思うのですが、日本酒への思いで、山同さんのお話が止まりません。

「日本酒を料理に合せて選ぶようになったのは、やはりワイン・ブームを経て来たことが大きかったと思いますね」

突然ふって湧いたようなワイン・ブーム。それに対応して、ワインについて書ける数少ないライターをされていたことで、その頃の事情については良〜くご存知です。

「あの頃、『ワインも日本料理に合いますよ』っていうプレゼンテーションもたくさんやったんです。そうして、みんなワインにハマっていった……。

だけれども、時間が経ってふと気づいたら、日本酒だってそうだ!と。そのことに、料理の作り手も、さらにはお酒の造り手も気づいたんですよ。

昔は日本酒しか飲まない造り手がほとんどで、食べるのも地元の郷土料理だったからそれに合わせたお酒を造る。現代では、飲み手はもちろん造り手もワインや焼酎、さまざまなお酒を飲むし、和洋中、様々な料理を食べる。その食生活に合せたお酒を造る。飲み手も変わったけれど、ちゃんと造り手も変わっているんですよ。

そういう意味では、完全な地酒、というカラーは薄れて来ているとも言えますが、郷土料理自体も少しずつ変化をしていますから」

その土地の料理に合せたお酒、その土地の風土から生まれるお酒、だからこその地酒。その一方で、物流と情報の発達、活発化により、都市部のみならず、地方の食文化も変わって来ています。全てが均一化されているかというとそんなはずもなく、地方色、地方の嗜好はやはり残るものですから、そこへ新たな味や香りが加味されて来た、複雑でバリエーションが増えた、という、なんとも贅沢な時代に突入しているということがいえるのですね。

「かつては、隣りの県のお酒さえ飲む機会がなくて、そのために、東京や大阪へ行く、という蔵元さんの話を聞いたことがあります。地方では、20年前には隣町のお酒さえ飲む機会がほとんどなかった。逆に考えると、それでやっていけたわけです。そういう意味では、細かい区分けで地方色が豊かに生きていたといえます。

そういう特性が崩れて来た、という見方もありますが、その反面、他の町や県のお酒を知ったことで、全体的にレベルが上がって来た、ということですから。

それ以前に、お酒に関して言えば、意識して料理に合せたというよりは、日頃の食生活で培われた味覚が反映されて、自ずと料理に合っていた、という部分が大きかったのではないかと思いますね。それを素直に表現して、お酒に反映させて来た。

ただし、かつては男性しか飲まなかったから、食事の前に珍味でお酒を、というシーンが多かった。今は、女性も飲めるし、食事の場面に当たり前にお酒がある、という風景になっている。それはワインの飲み方を知ったからだと思うんです」

「日本酒の日」に合わせて大阪で行なわれた「日本酒1週間」というイベントの初日、10月1日のゲストスピーカーとして登場した山同さん。会場には大阪の酒蔵『秋鹿』の社長もいらして、ステージに。

そう考えると、現代の若い杜氏や蔵元が自分の食生活、郷土料理と外国の料理も含めた様々な料理を食べることで培われた味覚を反映することは、自然の成り行きでもあると言えるでしょうね。似た料理を食べていても、同じお酒は生まれないのですから。

日本酒はワインに押された、と思っていたのですが、ワインが日本酒の間口を広げてくれたんですね。
しかも、お米からできる日本酒は合わない料理はないといえるほど。

「誰かがコメントを書かれてましたよね、お米は日本人のDNAだ、って。日本人に合わないわけがないんです。

私にとって、『ワインは恋人、本格焼酎は気の置けない仲間、日本酒は連れ合い』みたいなもの。女性だったら夫、男性だったら奥さん。ワインほど違いの幅は大きくないけれど、その分、微妙な違いが楽しめて、余計にハマってしまう。いつもそばにして当たり前のもの、なんですね」

出版社で雑誌編集を担当されていた頃、吟醸酒を普及させた篠田次郎先生と出会い、先生主催のお酒の会に足を運び、先生に執筆を依頼して一緒に全国の酒蔵を回ったという山同さん。それが日本酒の認識を新たにして魅力を知ったきっかけといいますから、幸運なスタートであり、鍛えられたともおっしゃいます。

その後、ワインに興味を持ち、ソムリエの資格を取ったところに空前のワイン・ブーム。「忙しかった!」そうです。そして、再び日本酒へと帰って来て、少々緩やかではあるけれど、日本酒にもやっと光が差して来た。正にミューズでした。

さらに、山同さんといえば、いつも首から下げている一眼レフ。高校時代は写真部だったという腕前で、前述の取材では写真も担当されました。どこかの記者さんだったか、立ち話をしていた際、「文章が良くて、その上、写真も撮れて、盤石だよね」と、ふともらした言葉も、ごもっとも。それを持ってして日本酒へ力を傾けていらっしゃるのですから、……頼もしすぎます。

山同さん、お忙しいところをありがとうございました。

さて、次回、お二人目は女優の福山亜弥さんです。

質問は、
「あなたが日本酒に合わせてみたいお料理は?」
http://bit.ly/GVJwDH
奇しくも、今回が総論、次回が各論、といえる流れとなりました。
引き続き、ご投票をお待ちしています。


「いいね!ランキング」上位蔵に聞く〜 大雪渓酒造

思わず目を引く大雪渓酒造さんのfacebook(以下FB)にあるカバー写真。この絵柄には、出だしからやられちゃいますが、ちょっと別件の話題からスタートさせていただきます。

というのも、先頃、発表されました、「IWC(International Wine Challenge)」のSAKE部門メダル賞で、見事、「大雪渓 純米大吟醸原酒」が「純米吟醸酒・純米大吟醸酒の部」ゴールドを、「大雪渓 限定純米酒」が「純米酒の部」のブロンズを受賞されました! これらを含めた受賞酒は、さらに、トロフィーの発表、チャンピオンの発表へと続きます。ぜひ、チャンピオンを! 応援していきたいですね。

ダイナミックな、繊細な、自然を写し出し14位の『大雪渓』

さて、本題です。

まず冒頭のカバー写真。男性陣が恵方飲みをする、の図なのですが、一番右、もしかして……の杜氏さんでした!

しかもこの写真は今年のものではなく、昨年の節分にノリで撮ったものだそうです。ブログに載せられたそうですので、ご記憶されている方もいらっしゃるでしょうか。節分に合せたブログ用の写真を撮ろうとあれこれ考え、誰が言い出したのか、恵方巻、ではなくて、どうせなら酒瓶で恵方飲み(の格好)、となったのだそう。今年辺りは一部でかなりポピュラーになっていますが、その発端は、もしかして、この写真!?

「言い出したのは杜氏さんだったかな‥‥。『いいね!日本酒。』さんから、『日本一気さくな杜氏』(こちらを参照)と、お墨付きも頂いていますし(笑)」

と、今回、お話を聞かせていただいたのは、大雪渓酒造の企画室長、薄井結行(ゆうき)さんです。

きさくな杜氏さんが指揮を取る酒造りは、きっとみなさん和気あいあいとして、まさに「和醸良酒」な仕上がりなのだろうと想像できますね。

こんなユニークな大雪渓さんのfacebook、徹底して、ダイナミックな北アルプスの山並みや可憐な花々など、美しい自然を写し出す写真を多用しています。お酒の瓶などの商品や蔵の様子は、まるで思い出したようにぽろっと登場する程度。……酒造メーカーさん、ですよね?

「ウチの酒蔵は、安曇野の恵まれた自然の中でお酒を造らせてもらっているので、そのことを知っていただくには、写真で見ていただくのが一番良いですから」

思いっきりの良さ、です。

朝、出社してホッと一息つくと目の前には昨日とは表情の違う山並みの美しさ。で、つい、カメラを向けてしまう。日々、違う表情を見せるのですから、残しておきたくなる、見てほしくなるのも無理はありません。

頂きに残る雪が地面に染み込んで、ゆっくりゆっくり濾過されて伏流水となり、やがて、酒蔵のあるところまで流れてくる……。

「水は豊富なんです。井戸も敷地内にありますし。

ほんとは、蔵人やスタッフなど人物ももっと登場させたいのですが、恥ずかしがる人が多いんですよ。それに、商品を載せるより、自然の写真の方が、反応がありますから」

造り手でもあった薄井さんですから、蔵人さんへの気遣いもあるようです。

それにしても、ほぼ毎日アップしているというタイムラインに対して、コメントの多さ、シェアの多さが目を引きます。シェアしてくれた方のお友達が写真に引かれてふらりと見にきてくれる、というケースが少なくないのでは?とおっしゃいます。

「せっかくですから、日本酒に興味のなかった人、大雪渓を知らない人にも興味を持つきっかけになってくれたら良いなと思います。そして、知っていただいたら、その環境の中で造っているということ、この大自然と『大雪渓』が一緒に記憶に残ればうれしいですし」

そして、もちろん「いいね!」も増やしたい。

入り口は、郷土の自然……。ダイレクトなテーマではないけれど、地酒ならではの個性を作り出す、酒造りの背景、重要な要素です。

桜のシーズンだった4月15日に、残雪の北アルプスと桜を背景にした菰樽の写真をアップしたところ、約1ヶ月経った5月17日現在で、ファン数907にして、いいね!が233、コメント12、シェア22、見た人の数は5000を越えているのだそうです。「いいね!日本酒。」も見習わねば(本音は“あやかりたい”)と思ってしまう反響の良さです。

「我が社から車で5分もかからないところで、車のルーフに菰樽乗せて撮っただけ。木の間に挟んでみたりもしたんですけど、うまくいかなくて……」

どれも、カレンダーやポストカードにしたくなるようなクオリティです。これらは全て薄井さんによる撮影。なのですが、薄井さんが写真をはじめたのは半年ほど前。とあるきっかけ(ご想像通りです^^)でカメラを買ったので、何かあったら持ち歩いているとのこと。センスなんですよね。

「いいね!」の数も写真をアップする前は400程度、それが現在は倍以上。写真の力は大きいですね。お酒の造られている風景、大切な要素です。

そして、毎日つくコメントへ返事を返すのが毎朝の日課。そんなやり取りがコミュニティツールとしてのFBの最大の利点です。

また、コミュニケーションできるFBの意外な活用例がありました。FBだけで紹介するお酒、FBで希望を募って作ったセットなども、ほかのお蔵さんでありましたが、何と、大雪渓さん、お酒2本と徳利セット&お猪口2個のお値段をFB上で投げかけたのでした。頂いたコメントを参考に決めたお値段で頒布したところ、あっという間に完売したそうです。

最も参考になるアンケートかもしれません。

「『いいね!』が1000になったら、また新しい展開があるかもしれませんね」

そう話す1000のカウントも目の前です。

美しい自然が満載

アンケートの結果はこちら

 


「いいね!ランキング」上位蔵に聞く〜 本家松浦酒造

日本酒を女性に! 徹底した気持ちが伝わり9位の「鳴門鯛」

創業は文化元年(1804)。明治19年(1886)から「鳴門鯛」という銘柄で醸し続けている歴史ある本家松浦酒造さん。徳島県と言えば鳴門。激しい鳴門の渦にもまれて育ち、身の引き締まった鯛によく合うお酒です。

ところが、ホームページやfacebook(以下FB)をのぞくと、現れるのは酒粕ケーキだったり「女子」の文字だったり……。女性に向けて発信していることが分かりすぎるほど表現されています。

確かに、最近、女性の日本酒人気は高くなっていて、女性に向けたアピールも増えています。けれど、ここまで徹底しているのは珍しい。やはりそこから伺わなければ。

 答えてくださったのは、IT企業に長く勤めて家業に入り、2011年に現職に就かれた松浦素子社長です。


「やはり、女性に注目してほしいという思いが強いんです」


「鳴門鯛」という歴史ある銘柄やロゴマークは守っていきたい。変えるつもりはない。その一方で、もちろん女性ファンが増えているという現状を捉えたアピールでもあります。けれど、もっと深い理由があったのです。

社長が会社に入って間もなく、小学校の社会見学、企業訪問で、子どもたちが蔵を訪れました。ところが、中に居心地の悪そうな子どもがいたので、尋ねたそうです。

「お酒とタバコはどっちが体に悪いと思う?」

その答えは「お酒」。

驚いて、他の子どもたちに「みんなもそう思う?」と聞いてみたら、大勢の子どもが「そうそう」と相づちを打ったというのです。

子どもが口にする言葉の陰には親の影響が大きいもの。特に母親の認識や意志が強いでしょう。母親がお酒に対して良い印象を持たないと、そのことが子どもに伝わる。

そこで、「この事実をちゃんと認識して対応しなければならない」と、気持ちを引き締めます。それと共に、女性に向けて発信し、特にこれから母親になるであろう若い女性から日本酒への悪い印象を払拭したい、親しんでほしい、と考えたそうです。

日本酒を愛する身には、なんとも切なくなるエピソードですが、これも現実です。


それと同時に、やはりお酒がおいしいものでなければいけません。

2008年からは、弟で専務の松浦正治さんが杜氏を務め、2010年には早くも「鳴門鯛 大吟醸」が「全米日本酒鑑評会」において金賞を受賞。2012年に全国新酒鑑評会で金賞受賞。順調のようですが、姉として、社長として、まずは杜氏が、自分の味、酒質を極めてほしい、と語ります。

そして、杜氏の仕事を側面からサポートする意味でも、
「FBでは、もっと蔵の日常を紹介して、酒造りというものを伝えていきたいんです。一般の人にとっては接点のない世界ですから、見えてきませんよね」と語ります。

実は、社長ご自身、酒蔵の娘として育ってはいても、蔵と自宅が離れていたこと、そして、早くに家を出てしまったので、全く様子は分からなかったのだそうです。

「自社に入り、改めて酒造りの様子を見てみると、みんな黙々と、あうんの呼吸で作業を進めていく。その背景では、例えば米が蒸されていく音が聞こえるだけ。本当に手造りで、心意気で造っていることが伝わってくる……。その空気感までをも伝えたい、と」思ったのです。

酒造りの季節に酒蔵見学をしたことがある人なら、 何も言わずとも蔵人たちが自分の技術を持って黙々と役割をこなす姿に、感動すら覚えたのではないでしょうか。

社長のこの目線は、日本酒入門女子にも訴えるものだと思います。
加えて杜氏は女性好みの優しくフルーティなお酒も得意、と社長は見ています。その面でも女性にきっとアピールできる。

さて、肝心の「いいね!」が上がった背景は?

「酒粕ケーキの発売前後ですね。昨年の11月発売でしたが、その前は300程度だったのが、3ヶ月たたずに800台まで上がりましたから」
………。

さらに、IT企業ご出身の社長だけに、ご自身のFB友達が1000人以上! スタート時はそのお友達に声をかけて増やしていったのだそうです。そして、
「『いいね!日本酒。』ランキングで20位以内に入って、全国の方に『鳴門鯛』の存在を知ってほしい、と強く思っていたんです。それで、酒粕ケーキに取り組んだ」

奮起するきっかけの一つに「いいね!日本酒。」のランキングもあったとのことで、こそばゆいですが、うれしいですね。

しかし、ポイントアップの秘訣は酒粕ケーキ!?
王道ではないかもしれませんが、入ってくれた人たちがちゃんと残っている。きっかけは別でも、いつの間にか日本酒の魅力に触れ、気づいて、好きになってくれる。可能性を強く感じます。

女性が嬉しくなるような絵柄があふれています。少しずつでも日本酒に興味をもってもらいたい、と、その隙間に酒造りの様子をしのばせて。

「これからの課題は、会社紹介とショッピングのサイトを分けて、役割を明確にすること。それと、HPのFBへの入り口ももうちょっと入りやすいものにしたい」
そう話されたと思ったら、HPが、もうリニューアルされていました。仕事が早い。

歴史と伝統の日本酒の世界。それに相反すると思われるITの世界。
しかし、それが一緒になったら、こんなに強力なバリュー、価値と発信力はない。それは日本国内だけに止まらない可能性を持っている。そのことを良くご存知で、まだ少々の戸惑いも持ちながら、「これしかない」という思いで運営されているようです。

日本酒の新しい世界への突破口は、こんなところにあるのかもしれません。

アンケートの結果はこちら
facebookの「いいね!」ランキングはこちら


京都・丹後で酒蔵ツーリズム!—part1:ハクレイ酒造

スイーツもお酒も、と欲張りな人にぴったり。

白嶺ロール(左)と蔵ロール。 

「ケーキ屋さん?」−−−−そう思われたかもしれませんね。

スイーツショップ&カフェ、ではあるのですが、実は甘党の対極、「酒呑童子」の銘柄を持つ左党のハクレイ酒造さんに併設するカフェ、「蔵Sweets HAKUREISYA(白嶺舎)」です。

「——併設の」、と片手間のように言って済ませられないほど、本格派なのです。昨年、2012年7月にリニューアルオープン(オープンは2010年7月)したスイーツ充実カフェ、となれば、日本酒女子、……スイーツ男子も見過ごせません。

先日、酒蔵取材で京都・丹後地方へ行く機会があり、そこまで行ったら、ぜひ、お寄りしたい、とお問い合せをして、伺わせていただきました、ハクレイ酒造さん。

京都・丹後と言えば、ハクレイ酒造さんからは日本三景の一つ、天橋立がすぐ近く。家と船着き場が一体化した伊根の舟屋など、見どころも多い場所。

酒蔵をベースに地元の観光地を訪ねる。

あら、これこそ、「酒蔵ツーリズム」ではないですか!

 

1832年創業の歴史を持つハクレイ酒造さんは、京都の日本海側、京都府宮津市の丹後由良にあります。北側には日本海が広がり、南には丹後半島の根元で東西に連なる大江山連峰(833m)の由良ヶ岳(640m)がそびえるという美しい環境に囲まれてお酒を醸す蔵です。

赴きある創業時からの蔵

大江山連峰の湧き水を利用して、米と水と人との調和を大切にした酒造りを行ない、「白嶺」という銘柄名も、雪をかぶった由良ヶ岳を表したものだそうです。

また、森鴎外作『山椒大夫』の一節、『安寿と厨子王』伝説の舞台も、この由良の浜だったのです。遥か昔に教科書で読んだお話、「安寿恋しや、ホゥヤレホ、厨子王恋しや、ホゥヤレホ」と謡う母の声を聞きつけて再会を果たした下りが、急に甦ってきました。

そして、気になる?「酒呑童子」というものは、平安時代に大江山辺りで暴れ回ったオニの頭領だとか。やっぱり辛口が似合う……でしょうか。

天橋立。
伊根の舟屋。

今回は残念ながら着いた時には既に薄暮。周りの景色を楽しむ間もなく、駆け足で見学させていただいたのでした。ありがとうございました。

夕方に着いたせいか、明るい時間でもきっとそうなのだと思うのですが、細い道を挟んで黒い板壁の建物が並ぶこの一画は、風情があってとてもすてきでした。

創業時に建てられた趣のある「天保蔵」。この一部が、「天の蔵」としてショップや蔵見学のスペースとして利用されています。

  

 

今回、丹後地方に行くことになったのは、京丹後市の『玉川』醸造元・木下酒造さんへ、5年ぶりにイギリス人杜氏のフィリップ・ハーパーさんを訪ねるためでした。

実は木下酒造さん、日本酒ソフトクリームも人気なのです。ハクレイ酒造さん、木下酒造さんでお酒&スイーツをハシゴ。日本酒女子、スイーツ男子にも魅力ですね。

パート2では、木下酒造さんとその周辺をお届けします。

入り組んだ山脈の間を縫うように走り、急に視界が開けたと思えば目の前に日本海が広がる北近畿タンゴ宮津線。この路線上にある2つの酒蔵はとても個性的で、観光にも魅力的な見どころが豊富。今回は時間切れで辿り着けませんでしたが、食も豊かです。(……ここまで来てカニにありつけなかった……)。

ぜひたっぷり時間をとって訪れていただきたい。伝々、後悔を込めてお勧めします。

 


「いいね!ランキング」上位蔵に聞く〜 南部酒造場

何気なくテレビの「新日本風土記」を見ていたら、見覚えのあるお名前が。
「南部さん」………? お店の正面が映って、やっぱり!Facebook(以下、FB)を見たら、ちゃんと告知されていました。

というわけで、ちょっとイレギュラーですが、「花垣」の南部酒造場さんにご登場いただきました。

 小さい蔵ならではの細やかな対応の「花垣」

 「小さな酒蔵なんですよ」と話すのは、南部酒造場の総務課・田中奈美さん。

「花垣」で知られる南部酒造場は、越前大野城の城下町に1901年(明治34年)、創業。石畳に面した七間通りで、700石を醸す酒蔵です。

後々、お話を伺っていくと、なかなか個性的な顔ぶれが揃うお蔵のようですが、田中さんご自身も、ぱきぱきっとしていて頼りがいある方のようです。

さて、どこのお蔵さんでもそうだと思いますが、テレビや雑誌に出た時をのぞけば、いきなり売れても理由が分からないこと、あります。ブログやHPに書いたことかな、とも思いますが、確証はない。

ところが、FBだと、誰かの発言やシェアがあったあとに急に注文が殺到したり。きっと、その影響だろうな、ということが分かります。

「お互いに、情報や行動が一方的な発信で終わらないところがいいですね」

と話す田中さん。お客様の『花垣』に関する投稿も積極的にシェアしています。それだけでなく、初めて「いいね!」を押してくれた方が、知っているお客様だと、「ありがとうございました」とメッセージも送ります。

「その方が、FBをはじめたばかりかもしれませんし、『花垣』を探して、見つけて来てくれたわけですから、ご挨拶したくなります」

その様子は、まるで店先での対面販売を思わせます。いつも買いに来てくださるお客さんの顔を見かけたら、思わず声をかけますよね。また、FBでは、その人となりが紹介されているので、その方が買いに来られるとFBの話題が糸口となって話が広がります。

事務所スタッフが4人。みなアカウントを持って、できるだけ目を通し情報を共有するようにしているのだそうです。

また、お酒の仕込みの情報も欠かせません。蔵人は5人いて、そのうち、杜氏と蔵人の一人(麹師)も投稿。事務系スタッフと蔵人は、毎日、昼休みに食堂で顔を会わせるので、そこが情報交換の場、打合せの場となるそうです。

酒造りの様子は動画でもアップされ、これは基本的には蔵人が録ってアップすることが多いそうです。蔵人は30代初めから40代半ばという若い、ほぼ同年代に集まっていることも、機械関係、ネット関係では心強いものです。

FBには、動画も上げる一方で、手書きの瓦版も公開されます。この瓦版、7年ほど前からあって、自由に持ち帰っていただくもので、田中さんが引き継いで5年ほどになります。当初は前任者同様、パソコンを駆使して作っていたそうですが、あまりにデキがよかったためか、内部で作っているとは思われず……。小規模、手造りでやっている蔵の個性が見えないと自ら申し出て、3年前から手書きになりました。以来、ずっとこのスタイルを続けているのだそうです。

という達者な田中さんですが、それは田中さんだけではありませんでした。

実はここの頭(かしら)、「仕込みの時期は蔵人、それ以外はIT担当主任」。HPの運営も担当し、酒造りが終わると、HPの変更や機械関係の修理や配置換えなど、相談事がどどっと押寄せるのだそうです。

さらに、先の麹師さんは、「冬は蔵人、夏は旅人……放浪者?」という強者。春になると酒造りで稼いだ資金を懐にあっという間に機上の人に。世界中からFBに投稿してくるので、それを見て、どこにいるのかが分かる、と。夏のタイムラインは、酒造場?と、ときどき不思議に思われるラインナップとなる、ユニークなお蔵さんなのです。

ところで、アンケートを拝見していて目が釘付けになったのが、これまでに最も反応のあったという投稿。それがご近所の和菓子屋さん情報だそう。嬉しいような寂しいような……。

斜め向かいが「伊藤順和堂」という老舗の和菓子店。老舗同士の南部酒造場さんとは、お互いにお客さんを案内する仲です。そこで、季節商品の情報を軽い気持ちでアップしたところ、思いもかけない反応で、その「いいね!」とコメントの数は破られていないのだとか。「大野へ来たら、石畳の七間通りで『花垣』買って、和菓子を買って」……。そんな常連さんの姿が目に浮かぶようです。……、やっぱり対面販売の延長線上にある。

さすが、福井県内で唯一、有機認定を受けている蔵だけあって、無機なネットも有機なものにしてしまうようです。

新酒の出荷情報も分かったら即、投稿。「どこで買えますか?」とすぐに問い合せが来るそうです。FBに参加していて良かった、と思うのはこんな時でしょうから、限られた出荷量の蔵にとってはお客様への有益なサービスとなります。

たくさんのお客様とそんなすてきな関係を築くためには、もっと、FBの存在を知ってもらい、参加していただくためのアピールも必要かな、と感じる今日この頃。HPのトップページにはFB開設以来の大きなバナーがありますが、それにもう一工夫をと思案中です。

蔵の雰囲気がよく現れている瓦版。記事面は割愛してありますのでホンモノはFBで。写真もひと手間。

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